【サイエンス】プラントベース食は2型糖尿病リスクを低減する可能性

プラントベースの食生活は 2 型糖尿病の発生リスクを低減する可能性が、オーストリアの研究で示唆された。

Medical University of Vienna、University of Viennaの研究チームは、英国の大規模コホート研究(UK Biobank)に参加した40~69歳の被験者11万3,097人を対象に、12年間の観察研究を行った。

研究チームは、データを基に多変量Cox回帰モデルを用いて、 健康的なプラントベース食品指数(hPDI)および不健康なプラントベース食品指数(uPDI)と2型糖尿病との関連性を解析した。

12年間で被験者全体の2,628人が2型糖尿病を発症し、解析の結果、hPDIスコアが最も高かった場合、2型糖尿病発症リスクが24%低下したことがわかった。これは、BMIの低減、腹囲やHBA1c濃度の減少によるものと考えられる。一方、uPDIスコアが高い場合、発症リスクは37%増加した。腹囲、BMI、トリグリセリド濃度の上昇が要因に挙げられる。

研究者らは「健康的なプラントベース食生活は、低い体脂肪、正常血糖、少ない炎症、腎臓や肝臓の改善などで2型糖尿病の発症の予防に役立つ可能性がある」と結論付けた。

また、「注目すべきは、リスク要因が肥満だけでなく、腎臓機能の関与が示されたことだ。食の健康効果を仲介する重要な役目を持つと考えられる」と述べ、「健康なプラントベース食は、新鮮な野菜や果物、全粒穀物、豆類、ナッツ類、種子類を中心とし、甘味、精製穀物などを減らした食事だ。理想は地中海食や北欧食のように、適切な割合の赤身肉や鶏肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品を組み込むことである」と加えた。本研究はDiabetes & Metabolismに掲載されている。

「GNGグローバルニュース 2024年2月27日号」より

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