【サイエンス】マイクロバイオーム組成は運動パフォーマンスと関連する可能性

マイクロバイオームの組成が運動のパフォーマンスに関連する可能性が、ポーランドの研究で示唆された。微生物叢と健康および疾患との関連性は広く認知されており、研究が盛んに行われているが、スポーツ界におけるパフォーマンスとの関連についての関心も増している。

Gdansk University of Physical Education and Sportなどのチームが行った研究は、アスリートの高強度トレーニングに対する腸内微生物叢の影響とその反応の評価を目的としている。研究チームは、健康で活動的な男性52人を、持久力群、筋力群、対照群の3群に分け、それぞれに30分全力ウィンゲートテスト(WT)、ブルース・トレッドミル試験を課し、テストの前後に糞便のマイクロバイオームDNA組成を評価した。

テスト前後の分析によると、WTの間の筋力群では、Alistipes communisの存在が確認され、また、ブルース・トレッドミル試験中、微生物88種に注目すべき群間差が認められた。Bifidobacterium longumとBifidobacterium adolescentis は、VO2 Max(最大酸素摂取量)、平均パワー、最大パワーなど全てのフィットネスパラメータと関連していることが明らかとなったが、特に、VO2 Maxとの関連が強かった。この2種は、ブルース・トレッドミル試験中、高いVO2 Maxを示す被験者で増加していることが確認されている。一方、バクテロイデス属とVO2 Maxとの間には負の相関がみられた。同研究はPlos Oneに掲載されている。

「GNGグローバルニュース 2024年3月26日号」より

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