【マーケット】2023年、成長が見込まれる3つの食品・飲料分野

Covid-19パンデミックによって世界は経済的低迷に見舞われているが、そんな中にあって食品・飲料産業の奮闘は著しい。
2023年の同産業のトレンドを占う。

・NOLO
健康意識の高まりや、アルコール摂取を抑えたいという消費者の要望から、この数年、低・ノンアルコール(NOLO)飲料部門 が成長を見せている。最近では、単なるアルコール飲料代替商品ではなく、大人の消費者向けの洗練された飲料として注目されつつある。例えば、ノンアルコールのスピリッツの「Seedlip」は、レモンバームやカルダモンなどのハーブや果物、スパイスを原料に生産されている。「これは、従来のスピリッツとは全く異なり、味や成分だけでなく、パッケージングも洗練され、消費者の関心を引き寄せている」と、SeedlipオーナーのChris Marshall氏は説明する。

・クリーンラベル
環境的見地からクリーンラベルトレンドはまだまだ継続すると思われる。食品添加物をできるだけ排除したいと考える消費者は、ラベルに対して神経質になる。クリーンラベル成分の代表格としては、グアーガム、ジェランガム、クエン酸などが挙がるが、最近、関心が高まっているのが、光合成の過程に関与する酵素、ルビスコ(RubisCo)で、葉緑体のたんぱく質の3分の1から2 分の1を占めるため、最も多く存在するたんぱく質だと考えられているものだ。Leaf Protein Co社の創設者、Fern Ho氏は「これは、ゲル化から様々な物質との結合まで、多くの機能性を秘めており、多種多様な添加物の代替として使用できる」と話した。環境負荷の小さい食料資源として期待される。

・精密発酵
食品・飲料産業では、この数年、代替たんぱく質の開発が盛んに行われている。多くをプラントベースが占めるが、培養商品や発酵商品も注目度は上昇中である。中でも、精密発酵は2023年、最も成長する部門だと期待されている。代替肉など、現在代替食品の課題として取り上げられるのは、味や食感、風味で、従来の動物性食品と同等、あるいは超えるものでなければ、大きな飛躍は考えられない。Perfect Day SVP InternationalのAlex Brittain氏は「この問題をクリアできる技術が精密発酵だろうと考える。また、今後2~3 年で、動物性食品の価格まで下げていくことは可能だ」と自信をのぞかせた。

「GNGグローバルニュース 2023年1月25日号」より

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