
【セミナーレポート】第2回『抗疲労∞抗老化』トータルリペアプロジェクト発足セミナー&記者発表会
【パネルディスカッション】それぞれの視点から「本プロジェクトへの期待と社会実装に向けた展望」

登壇後には、「本プロジェクトへの期待と社会実装に向けた展望」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。ファシリテーターは、西沢邦浩氏(健康医療ジャーナリスト、株式会社日経BP総合研究所 社会課題研究所 客員研究員)です。
パネリストとして、登壇者の3名に加え、矢澤一良氏(早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 規範科学総合研究所 ヘルスフード科学部門部門長)、水野敬氏(インテグレーテッドヘルスサイエンス株式会社取締役CTO/CFO)、そして渡辺恭介氏(インテグレーテッドヘルスサイエンス株式会社取締役CAO)の3名が加わり、活発な意見交換がなされました。
冒頭、西沢氏が5つの議題を示したうえで、渡辺恭良氏に対し、疲労と老化を「トータルにリペアしていく必要性」の再認識についてコメントを促しました。

渡辺恭良氏は、まず現在の医療体制の問題点について、「気になる不調をすべて治そうとしても、それぞれ治療法や検査方法が異なり、時間やお金もかかって全部を一度にケアするのは難しい」と指摘。そのうえで視点を変え、疲労や老化に共通するコアメカニズムを解消する方が、個別の不調に対応するよりも対象を絞れると強調しました。
猛暑などの環境要因、超加工食品、急速に変化するAIとのかかわりなどにより疲労因子が多様化し、老化についても医療が細分化される現代において、コアメカニズムをトータルに見渡せる専門家が増えることが、疲労と老化の根本解決につながるという見解を示しました。
そうした専門家が「横」でつながって取り組み、十分な計測法も確立させていくことができれば、本プロジェクトをはじめとする「トータルリペア®」の分野は世界に先駆けられる可能性があると展望を語ります。さらに、「少し発想を転換してみませんか」というのが本プロジェクトの一番のポイントであると言い添えました。
矢澤一良氏は、「食による予防医学」という観点から、トータルにリペアする必要性について見解を述べました。多様性のある食においては、「専門性が高すぎると視野が狭くなる」といった落とし穴があると指摘。一消費者が「ある機能を良くしたい」と考えたとき、単一の成分だけでは対応が難しく、機能性表示食品においてもトータルに考える必要があると強調しました。
とくに、アンチエイジングに関わる機能性分野の中心となるのがミトコンドリア機能です。抗疲労・抗老化だけでなく、心や脳の健康、さらには幸せや生きがいにとってもミトコンドリア機能はハブ的な存在であると述べ、本プロジェクトがミトコンドリアを起点とした製品開発につながってほしいと期待を寄せました。
柳茂氏は、「トータルリペア®」という観点でミトコンドリア活性をモニターできるようになることが必要である一方、日本には基礎研究を応用につなげる研究者が非常に少ないことが課題であると指摘。体内でミトコンドリア機能が現在どのレベルにあるかをモニターする方法については、つい最近ヒントが見つかったことを明かしました。こうした研究をより多くの研究者たちと共に進展させていきたいと、広く参加を呼びかけました。
國澤純氏は、疲労ケアと腸活は相性が良く、腸活が「トータルリペア®」の入り口になる可能性が十分あると話します。実際にサポートを行っている早稲田大学の駅伝部では、腸活によって「ハイシーズンのパフォーマンスが良くなった」など腸活が疲労の軽減・回復に寄与することを示すコメントが得られていることを明かしました。
水野敬氏は、総合的な健康度を可視化する「健康関数®」について、まだ実装できていない「トータルリペア®スコア」の技術開発と社会実装の方向性を述べました。さまざまなソリューションには、ミトコンドリア活性化も含まれており、今回の登壇にあった「マイトルビン」が健康関数のマップ上でどのような軌道を描くのかも非常に興味深いと語ります。
加えて、副交感神経を活性化する環境そのものもソリューションになり得るという見解を示し、それが街から世界へと広がる展望に期待を募らせました。
渡辺恭介氏は、ヒトの健康をモニターする技術が日々登場するなかで、それらのデータを統合できるAIを活用した「統合的な視点」について見解を述べました。
一個人のトータルなリペアの状態や修復エネルギーの状態を評価するAIをつくり、それを身に付けるデバイスなどで測定し、そこから得られるさまざまなデータを統合する新しい技術を作って還元していく。こうしたスパイラルを回せる仕組みをつくっていきたいと展望を語ります。
将来的には、計算科学の進化によって携帯端末で個々のデータを解析できるような技術が確立し、各個人のデータをAI搭載のデバイスにかけることで、自分の健康状態を容易に評価できるようになるかもしれないと締めくくりました。
最後に西沢邦浩氏は、疲労と老化にトータルに対処できる本プロジェクトの役割は世界的にも注目されるであろうと述べ、その進展に大きな期待を寄せてパネルディスカッションをまとめました。















