【セミナーレポート】第2回『抗疲労∞抗老化』トータルリペアプロジェクト発足セミナー&記者発表会

2026年7月22日、インテグレーテッドヘルスサイエンス株式会社は、イノベーション拠点を置くグラングリーン大阪にて第2回「抗疲労∞抗老化」トータルリペア®プロジェクト発足セミナー&記者発表会を開催しました。
本格始動した本プロジェクトでは、個人の健康や未病状態を定量的に評価し、疲労回復とともに抗老化につながる具体的なアクションを可視化する「健康関数®」を軸に、革新的なソリューション開発が進められています。

本記事では、ミトコンドリアの視点から紐解かれた「修復(リペア)エネルギー」や、精密栄養学と腸の視点による疲労対策など、当日の講演内容をレポートします。

第2回セミナーの概要について

2026年5月の第1回に続き、今回の第2回セミナーは、最新の健康計測機器を備え、大学や企業との共同研究拠点でもあるグラングリーン大阪にて開催されました。

冒頭、バイオコミュニティ関西(Biock)副委員長の諸富隆一氏による開会挨拶でスタート。続いて、本プロジェクトの全容について、インテグレーテッドヘルスサイエンス株式会社 代表取締役CEOであり日本疲労学会理事長を務める渡辺恭良氏が発表しました(講演1)。

その後、「ミトコンドリア品質管理機構の制御による抗老化・健康寿命延伸への展開」と題して学習院大学理学部生命科学科 教授/株式会社マイトジェニック 取締役の柳茂氏が登壇(講演2)。さらに、「Precision Nutritionにより創造される近未来ヘルス」と題し、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 副所長/同ヘルス・メディカル微生物研究センター センター長の國澤純氏による講演が行われました(講演3)。

【講演1】IHS社が展開する世界初ロジック、課題は「修復エネルギー」の計測と推定

本プロジェクトの発起人であるインテグレーテッドヘルスサイエンス株式会社(以降IHS社)代表取締役CEOの渡辺恭良氏が登壇しました。

疲労と老化のメカニズムには多くの共通点があり、日々の疲労を適切にリセットすることがアンチエイジングへとつながるのは当然の理と言います。渡辺氏は長年このテーマに向き合い、抗疲労研究とこれまで蓄積されてきたアンチエイジング研究を融合させ、さらに深堀りする本プロジェクトの核となる部分を語りました。

そのうえで、同社の中心的な取り組みである健康測定のオールインパッケージとアルゴリズム「健康関数®」、そしてその基盤となった「健康“生き活き”羅針盤リサーチコンプレックス(2015年~2020年、国立研究開発法人 科学技術振興機構)」や、約30年におよぶPETイメージング戦略研究などを解説。これらこそが、第1回セミナーで示された「より多くの人が総合的健康度を把握するための手段と、その入り口」を提示するロジックです。

具体的には、一人ひとりの健康状態を2次元の座標上にプロットして10の区画に分類し、特定の製品を摂取した際に4週間後どのような変化が起きるかを評価します。例えば、強炭酸水やオリーブオイル、電解水素水などを摂取した場合の改善度合いを可視化。各種計測データを統合することで、「あなたはこういう対策を取るとよい」を具体的に提示し、その取り組みによって得られる日々の「トータルリペア®」の能力を評価していく流れです。

「トータルリペア®」には3つのコンセプトがあります。1つ目は、筋や脳、精神や感覚、各臓器から自律神経まで、「多くの機能低下をトータル(総合的)にリペア(修復)」すること。2つ目は、経路の異なるメカニズムによる「複数因子トータル計測」と、その複数要因の修復。そして3つ目は、複数ソリューション成分の「トータルソリューションメニュー」によるリペアです。

もっとも、多岐にわたる機能低下を一つひとつ測定・評価するのは容易ではありません。そこで、本プロジェクトでは、疲労と老化に共通するコアメカニズムを「酸化」「修復(リペア)エネルギー」「炎症・免疫」「自律神経」の4つに集約。焦点を絞って効率的に測定・調整を行うことで、トータルなリペアを目指します。

そして、この4つのコアメカニズムの中で、現在もっとも先進的でありながら未解明な領域として挙げられたのが、「修復(リペア)エネルギー量の低下」です。

「酸化」「炎症・免疫」「自律神経」の測定については、すでに比較的簡便な計測システムが整っています。一方で「修復(リペア)エネルギー」の測定については、ミトコンドリアのエネルギー代謝機能をはじめ、DNA修復に関与するサーチュイン遺伝子やタンパク質再合成など、解明されている知見を複合的に組み合わせてアプローチしていくと説明しました。

本来、私たちの活動に必要なATP(アデノシン三リン酸)の産生能力は、加齢や慢性疲労によって低下します。成長期の子どもであれば発達や発育にもエネルギーが費やされますが、大人になると生命維持と日常活動が優先され、慢性疲労の状態では修復に回されるエネルギーが後回しになってしまうと考えられます。

さらに、「細胞内で産生されたATP(アデノシン三リン酸)のうち、どれほどが修復に充てられているのか」「修復に回せるエネルギーのリザーバー(蓄え)や予備能がどれくらい存在するのか」といった詳細は、いまだ明らかになっていません。こうしたエネルギー概論を解き明かすうえで、体内最大のエネルギー産生工場であるミトコンドリアの存在は不可欠です。

これらを解明し、全身や各組織におけるエネルギー量、ならびに修復に充てられるエネルギー量をそれぞれ指標化することこそが、本プロジェクトの最大の目的であると語られました。

プロジェクトの最終ゴールは、多くの企業や団体と協働し、具体的なトータルソリューションメニューを創出していくことです。核心となる修復(リペア)エネルギー産生量の計測・推定手法や、それを増やしていくアプローチは現在模索の段階でが、それ以外の要素についてはすでに製品開発のフェーズへ進んでいると言います。

最後に渡辺氏は、一人ひとりが「何をどのように取り組めばよいか」を提示できる仕組みの構築に向けて、計測やデータ収集をはじめ、製品評価などの初期段階から共に歩んでいく参画パートナー(企業・団体)の募集を呼びかけ、講演を締めくくりました。

ウェルネス総研レポートonline編集部

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