【サイエンス】プロバイオティクスの特性評価への統合的アプローチを研究者が提案

科学者らによると、サプリメントに含まれる様々なプロバイオ ティクス菌株を検査するための複合的アプローチは、標準的な方法よりも効率的で費用対効果が高いとのこと。

イタリアの研究チームは、フローサイトメトリーと菌株特異的リアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR)の使用を提案した。この方法は、培養ベースの品質管理方法よりもかなり速く、変動性が低く、高い精度を示すという。

RT-qPCR解析は高価と考えられているが、フローサイトメトリーと組み合わせることで、試薬コスト、技術リソース、スループットの向上において大幅な削減が可能であると彼らは述べた。

研究チームは、Biolife Italiana社の2種類の市販サプリメントに含まれる6種類の乳酸菌と3種類のビフィズス菌の特定の定量化と品質管理のためのフローサイトメトリーとRT-qPCRの有効性を評価した。プロバイオティクスの存在と量は、プレートカウントの列挙およびTaqManプローブに基づくマルチプレックスqPCRアプローチによって決定された。研究者らは、この技術により、株特異的な検出のための高感度、高度な特異性、効率、および測定間の低分散が実証されたことを報告した。

RT-qPCRが単一細胞を識別し、遺伝子標的を増幅できただけでなく、死んだ細胞や損傷した細胞も識別することができたと著者らは考えている。さらに、食品、環境マトリックス、化粧品、糞便、その他の複雑なマトリックスにおいて、複数の細菌種の存在を同時に検出することができた。

プロバイオティクス菌株の正確な識別は、人間環境における健康効果を最適化するために重要であるため、RT-qPCRが従来の微生物学的手法の限界を克服するために大きく貢献することができると研究チームは主張している。

「GNGグローバルニュース 2022年12月23日号」より

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