【マーケット】4つの次世代プラントベースたんぱく質:FoodNavigator-USAウェビナー

ポンガミア、ヘンプ、オオムギ、ヒヨコマメの4つが、次世代のプラントベースたんぱく質として熱い視線を浴びているという。FoodNavigator-USAのウェビナー「Plant-based protein in focus」で、パネリストらが紹介した。
これからのプラントベースたんぱく質開発事業では、たんぱく質含有量や機能性の増大を実現することが新しい機会への扉を開けるカギになるという。

■ポンガミア

ポンガミアはマメ科の樹木植物で、東南アジアからオセアニアに生育する。この豆には油脂やたんぱく質が豊富に含まれ、少ない肥料で高い生産性を誇るという。米カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするTerviva社は、ポンガミアの栽培から加工までを行い、「Ponova」ブランドのもと、ポンガミア粉、オイルなど食品原料として幅広い用途に提供している。「ポンガミアは味にクセが無く、豆臭さを感じない。油脂や水とうまく結合し、弾力性が高いので、パンケーキミックスやクラッカーなど幅広く応用できる」と、パネリストの一人、Justin Shimek氏は説明した。

■ヘンプ

ヘンプは良質のたんぱく質や多価不飽和脂肪酸(PUFA)、マグネシウムなど多くの栄養素を含み、スーパーフードとしての関心が集まっている。米コロラド州を拠点とするNepra Foods社は卵の代替原料としてヘンプに注目し、アレルゲンを含まないパン・菓子商品原料の開発に力を注いでいる。同社のChad White氏は、「消費者の中にはヘンプの苦味を気にする人もいるが、殻をしっかり取り除くことによってこの問題は解決する。私たちのインドのパートナーは、苦味、臭みの無い99.9%たんぱく質アイソレートを生産している。
また、この乳化作用は素晴らしく、ヘンプミルクやチーズの生産に役立つ。一般のチーズ成分のカゼインが提供する「溶かす」「広がる」という作用をヘンプたんぱく質が代行できる」と語った。

■オオムギ

食品原料メーカー、EverGrain Ingredients社は、大手酒類メーカーのAB InBev社の支援を受け、醸造後のオオムギの廃棄物を利用した商品を生産している。オオムギ廃棄物のアップサイクルによるオオムギたんぱく質は、高い溶解性と低い粘性で、水に容易に溶け込む。麦芽とキャラメルの風味は、チョコレートやバニラなどとの相性が良い。味や機能性が素晴らしく、アップサイクルというサステナビリティに即した生産方法で、今後も成長が見込まれる。EverGrain Ingredients社のGregory Belt氏は、「大規模工場を米セントルイスに設立し、また、今年後半にはプロテインミックスパウダーやシェイクなどの一般消費者向け商品も販売予定だ」と述べた。

■ヒヨコマメ

良質なたんぱく質を含む豆として、さまざまな料理に応用されている。栄養価が高いだけでなく、加工適性に優れ、水分や脂質吸収が良く、その乳化作用からも用途の幅は広い。
こうした高いポテンシャルを持つプラントベースたんぱく質原料が、ニッチからメインストリームへ移るには何が必要なのか。良質なたんぱく質を生産するには、栽培から加工までの過程で、コストパフォーマンスの高い技術を拡大していく必要がある。
例えば、栽培においては、最新の遺伝子技術による作物改良や、商品生産期間の短縮を可能にする技術などが求められていくだろう。必要な最新技術は一つだけでなく、複数の技術が高品質のたんぱく質、高栄養価の商品開発、生産高の拡大、味の改善や臭みの除去など、消費者のニーズに対応できる商品を生み出す力になる。

「GNGグローバルニュース 2022年4月26日号」より

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