【マーケット】モニター結果:ニッチな食事から抜け出しつつある消費者たち

Nutrition Business Journalが最近発表した調査によると、アメリカ人は「健康な食事プランに従い、体重を減らして健康になれる」という考え自体には好意的だが、「ダイエットや少しでも制限のある食事プランを実践すること」には苦手意識があるという。

同調査の、「どのようなダイエットや食事法を実践しているか」という質問に対しては、「特定のダイエットや食事法を行っていない」と答えた人が43%と最も多かった。次いで最も多かったのは、低糖質・減塩・低脂肪・低カロリーといった、おおまかなカテゴリーにのみ興味を示しているグループだった。より具体的なダイエット法を実践しているという回答は非常に少なかった。断続的な断食を実践していると答えた回答は8%、ケトダイエットの実践者はわずか5%だったが、また、最も健康的とされる「地中海食」の実践者も5%とごく少数だった。

消費者の5%というのは小さな市場ではない。米国農務省によれば、アメリカの消費者は 2021年、食料品に$955,000M(1ドル145円換算で約138兆円)を費やしたという。また、この報告データは食品販売において「ダイエット」を訴求する戦略はそこまで効果的でない可能性を示唆している。

「低糖」や「減糖」といった製品の特徴に関する調査のスコアが比較的高いことから、消費者は「ニッチ性」よりも「栄養面」に注目している可能性があることが分かる。5%の消費者がケトダイエットを実践しているとすれば、95%の消費者はこの言葉に嫌悪感を抱くかもしれない。断続的に断食をしているという8%の人と、残りの92%の人では、食品の見え方が全く異なるのである。消費者の「食事法」は細分化されており、ある一部の消費者にアピールすることは、圧倒的多数の消費者を遠ざける危険性があるのだ。そのような消費者は、栄養成分表示パネルを見るかもしれないが、パッケージの前面に表示されるのは、最も広範な定義に限られている。低糖や減塩は表示する価値があるかもしれないし、グルテンフリーやナッツフリーは一部の消費者にとって重要な関心事だが、減量食や何かしらの制限を前面に出すことは消費者の興味を失わせる可能性がある。調査者は結論として、「ニッチ性よりも、栄養面を重視することが大切である」としている。

「GNGグローバルニュース 2022年9月26日号」より

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