【サイエンス】栄養のパーソナライズ化は、大規模統計データとシミュレーションが不可欠

栄養のパーソナライズ化のためには、様々な人種の情報を含む大規模な統計データとシミュレーション技術が必要不可欠であると専門家が述べた。

Oxford大学の研究者を含む研究チームは、腸内細菌叢の違いによるパーソナライズ化と、健康への臨床アプローチの概要を報告した。

研究者らは、栄養のパーソナライズ化が人間の健康を最適化するために重要なアプローチであるとする一方で、多くのビジネスがまだ初期段階にあり、しばしばその予測効果を過大評価しているとした。

研究チームは、「現在の統計的モデリングのアプローチは、実験参加者の母集団に依存しているため限界があり、時にはメカニズム的な洞察が欠けている。比較的豊かな先進国で実験から得られた栄養モデルが、世界の他の地域に広く適用できるかどうかは不明であり、母集団とは対照的な条件である先住民、工業化されていない、および郊外人口に対する観察および介入試験にさらなる焦点を当てる必要がある」と述べている。

腸内細菌叢についての研究が進むためには、統計的データとシミュレーション技術の両方が不可欠である。データ集約的な統計手法は、個人と腸内細菌叢、それぞれの腸内細菌の関係性予測に利用できる。また、対象集団の十分なバリエーション、関連するメタデータの収集、反応と結果を特徴付けるための測定が必要となる。その他の課題としては、タイミング、手法の順守、サンプリングがある。

研究チームは、「腸内細菌叢の研究をパーソナライズ化するためには、資金と科学的検証のための労働力、多様なヒトの母集団へのアクセス、そして最終的には医療制度のサポートが必要となる」としている。

「GNGグローバルニュース 2022年8月26日号」より

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