【セミナーレポート】『抗疲労∞抗老化™』トータルリペア®プロジェクト 発足セミナー&記者発表会

エッセンシャルヘルスケアの重要性、時間生物学からの本プロジェクトへの期待

株式会社日本トリム代表取締役社長の田原周夫氏が、「エッセンシャルヘルスケアの重要性」をテーマに登壇しました。同社は、家庭用管理医療機器であり電解水素水を生成する整水器を主軸に事業展開しており、血液透析など医療分野をはじめ、農業分野などへの応用にも取り組んでいます。

登壇した田原氏は、実際に検証・評価した研究成果に加え、水の観点から見た「トータルリペア®」における立ち位置、さらには独自のセカンドコンセプトとなる細胞治療について解説しました。冒頭では、水が人体において、保水や細胞・臓器の弾性維持、分子運搬、化学反応の場として重要な役割を担っていることを説明しました。

続いて、2022年に発表された米国3万5,463人を対象とした大規模な前向き研究を紹介。飲水量が増えるほど死亡リスクが低減するデータについて言及しました。具体的には、飲水量を0としたときの死亡率を1とすると、1日1.2リットルの飲水で0.88へ、1日2リットルでは0.83へ低減したという報告です。

では、「どのような水を飲めばよいのか」。その選択肢として提示されたのが電解水素水です。電解水素水とは、アルカリ性で、電気分解によってマイナス極側に生成される特徴を持つ水。国からは胃腸症状改善に効果が認められています。また、ヒトでの飲用試験ではメタボリックシンドロームおよびその予備軍における有意な腹囲減少や、血液透析療法への応用研究では、末期腎不全患者における重度疲労感の有意な低減が認められたことも説明しました。

実際に検証・評価した研究成果としては、電解水素水を長期飲用している群で、酸化ストレスマーカーや炎症マーカー、LDLコレステロールなどが低下したことを報告。
さらに、トライアスロン選手を対象とした研究では、暑熱下運動時のエネルギー消費量が1分あたり約0.5キロカロリー節約できた事例も示され、ATP利用効率との関連についても紹介されました。

そして、「トータルリペア®」における3つのコンセプトのうち、「複数ソリューション成分」による考え方にも言及。世の中には、水だけでなく、修復力改善を目指す多様な対策が存在することを踏まえ、それらの対策がより効果を発揮できる「環境をつくる水」としての役割を示しました。たとえば、サプリメント摂取時の飲用水や、対策を講じる間に摂取する水分補給などです。

運動習慣や食生活の改善を継続することは決して容易ではありません。一方、水は日常の中で無理なく継続しやすい健康習慣の選択肢になり得ることを示し、これを「ウォーターヘルスケア」と提唱。加えて、日常の中でさまざまなソリューションが相乗効果を生み出すことを見出すとともに、「その時の身体の状態に適した水」の在り方を明らかにしていきたいと展望を述べました。

後半では、同社のセカンドコンセプトである再生医療分野への展開についても紹介。臍帯・臍帯血を活用した細胞治療研究が進められていることに触れます。最後に、本プロジェクトが産官学を横断するハブとして、トータルリペアによる「抗疲労∞抗老化」を国内外へ発信していくことへの期待を語り、講演を締めくくりました。

パネルディスカッション「本プロジェクトへの期待と社会実装に向けた展望」

パネルディスカッションのなかで、食による予防医学を牽引する矢澤一良氏は、「トータルリペア®」は食品業界にとって非常に大きな影響力を持つと話します。疲労と老化という2つの大きなテーマを時間軸で結びつける本プロジェクトは、食品業界においても応用範囲が広く、世界をリードする“ジャパンモデル”として、技術的にもハイレベルなソリューションへ発展していくだろうと期待を寄せました。

一方で、アカデミックな領域だけでは一般消費者にとって理解しづらい側面もあるため、それらを分かりやすく社会へ伝えていくには、メディアを含めた多様な専門分野からの参画が必要との見解も示されました。

また、腸内環境と免疫研究の分野で日本を代表する国澤純氏は、腸と健康の研究は「疲労」とも非常に相性が良く、今後さらに緊密に連携していく分野になるだろうと語ります。加えて、疲れたときに、いかに早く「元気」な状態に戻れるか、という修復力の重要性について腸の視点から説明しました。

近年、「睡眠の質」や「脳腸相関」という言葉を耳にする機会も増えています。腸内環境を整えることはメンタル面にも影響し、“折れない心”に近付くだけでなく、仮に折れてもリペアしやすい状態へ整えることにつながるといいます。腸内細菌や消化管免疫、さまざまな改善対策も含めながら、総合的な視点でソリューション開発を進め、「トータルリペア®」を実現していきたいと話しました。

パネルディスカッションの最後には渡辺恭良氏が、「このままでは、健康寿命は延びても、“働けない社会”“創造的にものを作れない社会”になるかもしれない」との危機感を示した上で、年齢を重ねても意欲的でいられる社会を形成するため、多くの企業や研究者と共に本プロジェクトを展開していきたいと語りました。

近年、「リカバリー」という言葉は浸透してきた一方、「リペア」はまだ一般にはほとんど周知されていません。「リセット」とも異なり、「リペア」は一つひとつの問題点を修復していく考え方です。個々の課題に向き合い、それをトータルにリペアすることで、結果としてリカバリーやリセットにつながる。そうした概念整理も共有されました。

さらに、エネルギー(ATP)がリペアにどの程度使われているかといった、これまでにない検証を本プロジェクトの中で進めながら、修復力を確かなマーカーとして社会へ定着させていきたいという展望も提示。こうして、「抗疲労∞抗老化」トータルリペア®プロジェクト発足セミナー&記者発表会は締めくくられました。


ウェルネス総研レポートonline編集部

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