【マーケット】海洋サステナブルを維持し豊富なオメガ3脂肪酸を提供する業界の代替資源5つ

メンタルヘルスから関節リウマチまで多くの疾患に有用だとされ、高い人気を集めているオメガ3脂肪酸だが、昨今の優先課題であるサステナビリティの点で言うと、多くの問題が提示される。例えば、供給源である魚類の乱獲による海の生態系の崩壊や、工場廃液の海への垂れ流しなどによる海洋汚染で魚類に蓄積する鉛問題といったものである。
魚類の他、フラックスシード(亜麻 仁)やウォルナッツなどの植物にも ALA(アルファリノレン酸)の形でオメガ3脂肪酸は含まれるが、ALAは、有用とされるEPAやDHAへの転換効率があまりよくない。ある研究によると、ALAからEPAへの転換率は5%、DHAになると0.5%未満しか転換されないという。 海洋のサステナビリティを保持しながら、オメガ3脂肪酸が摂取できる代替資源を以下に紹介する。

■カキ

養殖カキの育成プロセスは、環境への影響を最小限にとどめることから、生態系の改善に役立つのだという。また、栄養価の点でも、1食あたりEPAは500mg、DHAが700mg含まれ、さらに、ビタミンB12、マグネシウム、抗酸化剤、亜鉛が豊富である。特に亜鉛は、3オンス(約85g)に74mg含まれ、これは1日の推奨量のほぼ700%にあたる。

■海藻

海藻サプリメントには、商品によって、EPA、DHAがフィッシュオイルより85%多く含まれている。また、 研究によると、藻類油はEPAとDHAのバイオアベイラビリティという点で魚と類似しており、フィッシュオイルと同様、中性脂肪を減少させ、コレステロールを改善し、心臓病やその他の疾患を予防する効果がある可能性が指摘されている。

■放牧卵

オメガ3強化卵は、飼料として通常の穀物にフラックスシード(亜麻仁)などを加えて与えられている鶏が生んだ卵だが、これらの鶏はケージ飼育が一般的で、あまり人道的な選択ではない。より良い選択肢として、放し飼い飼育の鶏の卵がある。研究によると、放し飼い飼育の鶏の卵は穀類飼育鶏のものと比べ、EPA、DHA含有量が約6倍であることが示されている。その他の研究でも、放し飼い飼育の鶏の卵はケージ飼育された鶏のものよりオメガ3脂肪酸含有量がほぼ3倍で、オメガ3およびオメガ6脂肪酸の比率がより良好であった。卵は、高品質のたんぱく質、ビタミンB12、コリン、ルテイン、ゼアキサンチンなどの栄養素を豊富に含んでいる。

■ニジマス

淡水魚は海洋の魚類よりサステナブルである。汚染も低く、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれる。3オンスあたり、500mgのEPA、1000mgのDHAを含み、さらに、たんぱく質、亜鉛、鉄、ビタミンB12なども豊富である。

■ミドリイガイオイル

フィッシュオイルよりサステナブルで、EPA、DHAの含有量も多い。汚染が少なく、EPAとDHAが非常に多く、抗炎症効果が高い。抗酸化作用が高く、関節痛や筋肉のこわばりや腫れの症状の緩和に有用だと示唆する研究もある。

「GNGグローバルニュース 2022年3月11日号」より

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