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【Opinionインタビュー後編】機能性OYATSU+専門家のアドバイスで、日本人のヘルスリテラシー向上を

食品の機能性を手軽に生活に取り入れられる「機能性OYATSU」は、食のリテラシーを高めるきっかけにもなり得ます。みんなが好きな「おやつ」だからこそ、食品メーカーや食の専門家は様々な方法で生活者にアプローチできると語る、早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所 ヘルスフード科学部門の矢澤一良教授に、前編に続き、その方法について伺いました。

期待される「機能性おやつ」

食のリテラシー向上に専門家の力を活かした提案を

前回のインタビューで、「機能性OYATSU」がさまざまな世代のフレイルの予防・改善に役立つことがわかりました。メーカーなど商品を提供する側は、どのようなことに留意して展開していけばよいでしょうか。
私たちの一般消費者を対象とした調査では、「機能性おやつを取り入れたいと思う」人は、「まあ思う」と合わせて76.7%いることがわかりました。つまり商品として出回れば、活用したいと思っている人は多いということです。

エビデンスがあれば栄養指導で個別に栄養補給としておやつを提案することもできます。例えば授乳中にカルシウムの入ったおやつをすすめるなど、伝える機会を増やすことも今後の課題となっていくでしょう。
現在我々が推進しているウェルネスOYATSUのプロジェクトでは、機能性表示食品を取り入れた「機能性OYATSU」、機能性が期待できる量として臨床試験で有意差(効果)が得られる量の1/3以上の機能性成分が入っている「ウェルネスOYATSU」などを、予防医療につながるOYATSUの概念を提唱しています。

人によって、不足している栄養素や必要な成分は異なりますので部位別、機能別に摂り方提案してみるのも良いでしょう。
例えば集中力を上げる、部活でケガをしない、美容、肝機能向上、ロコモ対策、メタボ対策などそれぞれの目的に対応した機能性成分は色々とありますので、ターゲット別にこれらの成分が入った機能性おやつを開発することも一つの方向性であると思います。

ヘルスリテラシーと「機能性おやつ」

日本人のヘルスリテラシーは欧米諸国に比べて低いといわれ、これがフレイルに大きく影響しているともいわれています。今後、ヘルスリテラシーを高めていくために「機能性おやつ」が果たす役割について、どのようにお考えでしょうか。

ヘルスリテラシーを高めていくために必要なことは、大きく分けて2つあります。1つは健康に関する危機感を持ってもらうことです。病気になってはじめて意識し始めるというケースも多いかと思いますが、予防のためには健康なうちからもっと病気の恐ろしさを伝えることが必要なのでではないでしょうか。もう1つは、何度も繰り返してそうした情報に触れさせることです。「毎日の食が健康にどう影響するのか」に加え、「あなたの(健康の)心配はこれで解決できる」といった風に伝えると、悩みを抱える人に響きやすくなりますよね。とはいえ、難しい計算や組み合わせをいきなりやりましょうでは、続かない。毎日の食事の偏りを自覚している人にとって「機能性おやつ」で手軽に足りない栄養を補うことで、リテラシー向上の最初の一歩を踏み出すきっかけをつくることができると考えます。気づきを得た生活者が情報に触れて色々と試して、自分に合うものを選んでいくという行動につながるきっかけとなるのではないかと思います。

食の専門家による対面指導で、さらなるリテラシーの向上と機能性食品の啓発を

機能性表示食品の申請件数が5000件に迫る一方、サプリメント離れ、ナチュラルヘルスといった消費者の傾向が生まれています。機能性食品や機能性素材の開発や啓発は今後、どこを目指していくべきでしょうか。

薬機法などの制限もあり大変かとは思いますが、まずはパッケージや店頭POP、広告表現などで、より具体的な健康の悩みや喫食オケージョンなど、その商品や成分が担う機能性についての表現の仕方を工夫し、消費者に伝わりやすい内容にすることでしょうか。
また、例えば対面で栄養士などの有識者が指導し提案する場をつくるというのも良いと思います。
ドラッグストアや栄養ケアステーションに相談できる機会を設け「機能性OYATSUの相談」を受け付けられるようにするなどです。もっと身近に感じてもらうこと、自分に何が必要なのかを知ることが機能性食品の啓発につながっていきます。

研究機関や企業が一丸となって取り組み、ヘルスリテラシーの向上を

今後、食品メーカーや食に関する情報発信者に期待することなど、メッセージをお願いできますでしょうか。

当たり前のことではありますが、まずは消費者に興味を持ってもらうにはどうしたらよいか。色々なところで継続的に情報発信をして、必要な情報を必要な人に届ける。地道ではありますが、日本人のヘルスリテラシーを高めていくことが、食からの予防医学に興味をもってもらえるきっかけになります。
情報発信者が正しい情報を伝えるという意識も必要です。そのためには、最新のエビデンスをもとに、信頼できる情報を伝えられるメディアも必要ですね。
我々研究者も栄養学的な視点から、健康維持・予防医学に貢献できるよう信念を持って研究や情報発信に努めています。その信念のもとで、研究機関やメーカーのリーダーが若手を積極的に指導し、新たな視点を取り入れたりしながら一丸となって盛り上げていくことを期待しています。

おやつを嫌いな人はいないでしょう。おやつを効率的に食べることで栄養を補い、フレイル予防につなげるための例えば「OYATSUシンポジウム」などを開催し、単なる嗜好品や小腹を満たすものとしてだけでなく、健康や長寿をサポートする情報に触れてもらえるよう努めるのも良いですね。産官学で連携し啓発活動することが食から健康寿命を延ばすための第一歩につながっていくのではないでしょうか。

<インタビュー前編はこちら>

矢澤 一良教授 プロフィール

早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所 ヘルスフード科学部門 部門長 、(一社)ウェルネスフード推進協会 代表理事。予防医学、ヘルスフード科学、脂質栄養学、海洋微生物学、食品薬理学を専門とする。


ウェルネス総研レポートonline編集部

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