体の健康維持に必要不可欠な「ホメオスタシス」
現代人はオーバーワークなどで疲労感を訴える人が増えています。その結果、「ホメオスタシス」が乱れて健康を害しているという考えが注目を集めています。また、ホメオスタシスの乱れは食でケアできることがわかってきました。今回はホメオスタシスとはなにか、なぜ注目を集めているのか、ホメオスタシスの維持につながる成分について解説していきます。
「ホメオスタシス」とは
私たちの体は、外部の環境がどんなに変化しても体の状態を一定に保ち続けることで、生命活動を維持しています。例えば、暑い日には汗をかき、それが蒸発するのを利用して体温を下げています。このように、体の状態を一定に保ち続けようとする私たちの体の特徴を「ホメオスタシス(生体恒常性)」と言います。
神経系、内分泌系、免疫系が連携してホメオスタシスを維持
ホメオスタシスの維持に一役買っているのが神経系、内分泌系、免疫系の3つの機能です。神経系は自律神経のことで、臓器の働きをコントロールしています。内分泌系はホルモンの分泌を司り、免疫系は細菌などの外敵から私たちを守っています。この3つの機能が連携して、ホメオスタシスが保たれています。
しかし、疲労などで過度なストレスが加わると神経系の働きが鈍くなり、連携して働いている他2つの機能にも影響を与えるようになります。すると、ホメオスタシスを維持することができなくなり、体調を崩したり、病気に罹患したりして、私たちの健康が脅かされる事態へとつながっていきます。ホメオスタシスを維持して健康な状態をキープするためには、神経系・内分泌系・免疫系が正常に働き続けられるようにストレスから心と体を守るケアを継続することが大切です。
ホメオスタシスの維持には食も重要
神経系には、体を「戦闘モード」に導く交感神経と、「リラックスモード」に導く副交感神経が存在します。ストレスを受け続けると交感神経が優位に働く状態が続いてしまい、ホメオスタシスの維持が難しくなります。健康維持のためには、副交感神経が優位に働くようにケアをすることが大切です。
副交感神経を優位にする方法はいくつかありますが。まずは規則正しい生活を心掛けることで、セロトニン分泌を促進する方法があります。セロトニンは精神的な安定を促すホルモンで、うつ症状がある人では不足していることがわかっています。セロトニン分泌を促すためには、日を浴びる、リズミカルな運動を適度に行う、睡眠をしっかりと取ることが重要です。また、材料となる必須アミノ酸「トリプトファン」を摂取するために、大豆製品や乳製品を意識して摂ることが重要です。
トリプトファン以外にも、副交感神経の働きを優位にする栄養成分として注目を集めているのが「パラミロン」です。パラミロンは藻の一種であるユーグレナだけに含まれる多糖類で、体内で吸収されないことから、経口摂取できる成分では唯一腸に直接作用できる成分です。
腸には神経系、内分泌系、免疫系を司るシステムが存在すると考えられており、パラミロンが物理的にこのシステムに刺激を与えることで、副交感神経優位の状態に導くことが明らかになってきました。ヒトを対象にした実験でも、パラミロンを継続的に摂取することで、副交感神経が優位になり、疲労感が軽減されたという結果が得られています。
今後、疲労回復を促してホメオスタシスを維持するケアに、さらに注目が集まることでしょう。規則正しい生活を送ることは、忙しい現代人には難しいことかもしれませんパラミロンのように、直接ホメオスタシスの維持に働きかける素材が今後、トレンドを作る可能性を秘めているのかもしれません。