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04認知症コラム

若年性アルツハイマーになりやすい人の特徴
-リスクを下げるためには?

2026.06.17

若年性アルツハイマーになりやすい人の特徴-リスクを下げるためには? イメージ

若年性アルツハイマーになりやすい人の特徴としては、アルツハイマー病の家族歴がある、食生活が偏っている、飲酒・喫煙習慣があるなどが挙げられます。65歳未満でもの忘れや失語などが見られたときは、医療機関を受診してみましょう。また、普段からバランスのよい食事や適度な運動、規則正しい生活を心がけることも大切です。

若年性アルツハイマーとは?

65歳未満で発症する「若年性認知症」のなかで
アルツハイマー型に分類される認知症

認知症は一般的に65歳以上で発症する疾病です。しかし、若くして発症するケースもあります。

65歳未満で発症するアルツハイマー型認知症は「若年性アルツハイマー」と呼ばれます。本人が現役世代であることが多く、経済的・身体的・精神的な影響が一般的な認知症よりも大きくなることも少なくありません。

最初に表れる症状としては、「もの忘れ」が多いです。しかし、年齢が若いこともあり、本人だけでなく周囲も認知症と気づきにくく、発見が遅れることがあります。

若年性認知症について詳しくはこちら

若年性アルツハイマーになりやすいと
いわれている人の特徴

若年性アルツハイマーの発症原因は一般的なアルツハイマー病と変わりありません。遺伝や加齢、生活環境、生活習慣などの複数の因子が複雑に絡み合い、発症するとされています。若年性アルツハイマーになりやすいとされている人の特徴について見ていきましょう。

アルツハイマー病の家族歴がある人 食生活が偏っている人 飲酒や喫煙習慣がある人 よく眠れていない人

若年性アルツハイマーになりやすい人の特徴-リスクを下げるためには? イメージ

アルツハイマー病の家族歴がある人

家族にアルツハイマー病の方がいる場合は、若年性アルツハイマーになりやすい遺伝子を持っている可能性があります。たとえば、すべての方が持っている遺伝子で、脳神経の修復や脂質代謝に関与するAPOE(アポイー)遺伝子というものがあります。その中で、APOE4(ε4)という種類を持っているとアルツハイマー病になるリスクが高いといわれています。

APOE(アポイー)遺伝子について詳しくはこちら

食生活が偏っている人

食生活が偏るだけでは若年性アルツハイマーになりやすくなるわけではないものの、アルツハイマー病の原因となる糖尿病や高血圧などの生活習慣病をもたらすことがあります。

たとえば、糖尿病の方はインスリンの分泌量が減りますが、脳に運ばれるインスリンの量が減るとアルツハイマー病の原因ともいわれるアミロイドβが脳に蓄積しやすくなります。また、肥満も認知症のリスクの一つとして知られています。

飲酒や喫煙習慣がある人

飲酒量が多い方や喫煙習慣がある方は、アルツハイマー病の発症リスクが高いといわれています。

たとえば、アルコールには脳を萎縮させる作用があるだけでなく、認知症のリスクとなる脳卒中との関連も指摘されています。また、たばこに含まれるニコチンは、血圧上昇や心筋収縮、酸素や栄養の供給量低下を招き、動脈硬化のリスクを高める物質です。高血圧や脳卒中のリスクはアルツハイマー病の発症リスクとつながるため、注意が必要といえるでしょう

よく眠れていない人

深く質の良い睡眠を得られていない場合は、脳内にアミロイドβが蓄積しやすいと考えられます。深い睡眠とされるノンレム睡眠中に、アルツハイマー型認知症の発症要因の一つとされるアミロイドβの除去が活発に行われるからです。

若年性アルツハイマーを発症しやすい年齢層は、多忙で睡眠時間が短くなりがちな年齢層と重なるため、睡眠不足が慢性化している方は注意が必要です。

認知症と睡眠不足の関係について詳しくはこちら

若年性アルツハイマーで見られやすい主な初期症状

若年性アルツハイマーは、最初は一時的なもの忘れの形で表れることが多いです。若年性アルツハイマーの主な初期症状を理解しておくことで、早期発見につなげていきましょう。

もの忘れ 不安や抑うつ 失語、言い間違い 時間の見当識障害 実行機能障害

もの忘れ

「鍵をどこに置いたか思い出せない」「確かに書類を受け取ったが、どこに片付けたのか忘れてしまった」などのもの忘れが見られることがあります。一般的なもの忘れは進行しませんが、アルツハイマーによるもの忘れは程度が徐々に深刻化するため注意が必要です。もの忘れの程度がひどくなると、日常生活や仕事に支障をきたす場合もあります。

もの忘れと認知症の違いについて詳しくはこちら

不安や抑うつ

アルツハイマー病を発症すると、不安や抑うつが強まることがあります。また、不安を取り繕うために怒りっぽくなったり、他人への配慮がなくなり自己中心的になったりすることもあるでしょう。

若年性アルツハイマーは40代、50代の働き盛りで発症することも多いため、変化が見られても、仕事へのストレスやうつ病による変化と判断されてしまう場合も多いです。

失語、言い間違い

物や人の名前がスムーズに出てこなくなったり、言い間違いが増えたりすることもあります。思い出せずに、「あれ」や「それ」などの指示語を使うことが極端に増えるケースもあるでしょう。

時間の見当識障害

見当識障害とは、時間や場所、人を認識する能力が低下した状態のことです。若年性アルツハイマーでは、特に時間の見当識障害が見られるケースが多く、現在の日付や時間を理解していなかったり、約束の日時を間違えたりすることがあります。

見当識障害について詳しくはこちら

実行機能障害

今までは特に意識せずとも実行できていたことが、急にできなくなるケースもあります。たとえば、文字の読み書きや服の着脱、買い物、簡単な計算などができなくなる方もいるでしょう。病気やケガにより一時的にできないのではなく、身体機能に問題がなくともできない点が特徴です。

実行機能障害について詳しくはこちら

若年性アルツハイマーのリスクを
下げるためにできる5つのこと

普段の生活を少し見直すだけでも、若年性アルツハイマーの発症リスクを下げられることがあります。今すぐ実施したい事柄について見ていきましょう。

食事のバランスを見直す 適度な運動を継続する 飲酒・喫煙をひかえる 睡眠を整える 脳のトレーニングを実践する

食事のバランスを見直す

栄養バランスのとれた健康的な食事を心がけることが大切です。果物や野菜、魚などを偏りなく食べ、食べ物からミネラルやビタミン、タンパク質といった栄養を摂取するようにしましょう。

また、脂肪や塩分、糖分の取り過ぎは生活習慣病の発症リスクを高めます。食生活を今一度見直してみてください。

適度な運動を継続する

適度に運動を続けることも大切です。運動不足は生活習慣病や肥満、質の低い睡眠などにつながることもあるため、認知症のリスクを高める可能性があります。

デスクワークをメインとする方は、運動量が低下しがちです。年齢にかかわらず、普段から意識的に身体を動かすようにしましょう。

飲酒・喫煙をひかえる

過度な飲酒や喫煙習慣は、生活習慣病のリスクを高めます。生活習慣病はアルツハイマー病の発症リスクを高めるため、飲酒量を減らして禁煙することが認知症予防のためにも大切です。

毎日習慣的に飲酒をしている方は、休肝日を設けるのも良いかもしれません。また、たばこを止めるのが難しいと感じる方は、禁煙外来を受診するのも一つの方法です。

睡眠を整える

良質な睡眠は、脳内に蓄積したアルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβなどの老廃物の排出を促し、記憶の整理を助けます。就寝時間・起床時間はなるべく一定にし、眠る前にはスマートフォンやパソコンなどの強い光を発する画面を見ないようにすることが大切です。

また、適度な睡眠時間を確保することも大切といえるでしょう。必要以上に長い睡眠は、かえってアルツハイマー病の発症リスクを高めることがあるため、注意が必要です。

脳のトレーニングを実践する

脳に適度な刺激を与えることは、認知機能の維持につながるといわれています。普段の生活にクロスワードパズルや読書、簡単な計算問題などの脳のトレーニングを取り入れるとよいでしょう。

若年性アルツハイマーに関するよくある質問

若年性アルツハイマーは働き盛りの方に発症する疾病です。若年性アルツハイマーに関するよくある質問とその答えについて見ていきましょう。

Qアルツハイマー病と若年性アルツハイマーの違いは何ですか?

65歳未満で発症するアルツハイマー病を「若年性アルツハイマー」と呼びます。原因や症状については、とくに違いはありません。

Q若年性アルツハイマーは10代や20代でも発症することはありますか?

若年性アルツハイマーは、早ければ10代でも発症することがあります。なお、平均発症年齢は51.3歳で、50代での発症が若年性アルツハイマー患者全体の約3割を占めます。

参考:厚生労働省「若年性認知症支援ガイドブック

Q若年性アルツハイマーの診断方法はありますか?

若年性アルツハイマーが疑われる場合は、精神科や神経内科、もの忘れ外来などを受診します。問診や血液検査、神経心理検査、脳の画像診断などを通して、総合的に診断が実施されます。

Q若年性アルツハイマーの治療法はありますか?

現状では根治する治療法はありませんが、アセチルコリン伝達を改善する薬剤などを用いて、進行を緩やかにする方法を実施することがあります。

認知症の治療方法について詳しくはこちら

Q若年性アルツハイマーのための
サポート制度はありますか?

若年性アルツハイマーと診断されたときは、下記右記のような様々な制度を活用し、サポートを得ることができます。必要な制度を利用し、介護や経済面での負担を軽減しましょう。

介護保険制度
  • 介護サービスを利用する際のさまざまな費用負担が軽減される
  • ケアマネによる要介護認定を受けると活用できる
成年後見人制度
  • 判断能力が不十分な人の権利を成年後見人等が守る制度
  • 家庭裁判所に申請し選任された人が後見人となる
障害者手帳交付・特別障害者控除
  • 認知症などの精神疾患により日常生活に支障をきたす場合は、精神障害者手帳の交付を申請できる
  • 受理されると、公的支援を得られたり、企業の障害者雇用枠で働き続けたりできることがある
  • 障害者認定を受けると、同一生計の配偶者や親族が特別障害者控除の適用を受け、控除額を増やせることがある
医療費控除
  • 1年間の医療費の自己負担額が一定額を超えている場合には、確定申告により税金が還付されることがある
自立支援医療制度
  • 精神科デイケアや更生医療・育成医療を継続的に受けている場合に、医療費の自己負担額が軽減される制度
住宅ローンの支払免除
  • 団体信用生命保険(団信)に加入している場合、契約者が認知症などの所定の状態になると支払いが免除されるケースもある

【弁護士監修】成年後見制度について詳しくはこちら

健康的な生活を心がけよう

若年性アルツハイマーは、誰もがかかり得る疾病です。とくに生活が乱れている方は発症リスクが高いと考えられるため、普段の生活を見直してみてるとよいでしょう。たとえば、栄養バランスのとれた食事、塩分や脂肪の摂取を控えること、習慣的に運動することなどにより、健康を維持しやすくなります。

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