
厚労省の国民健康・栄養調査について
厚労省栄養指導室は2025年12月2日、令和6年度「国民健康・栄養調査」の結果を発表した。調査結果のポイントを直近12年間でみると、糖尿病が強く疑われる者は約1,100万人と推計され、継続して増加した。食塩摂取量の平均値は1日当たり9.6gと高く、この12年間でみると最も低い数値であるが、健康日本21(三次)における目標値7gよりは依然高い状況にある。今回の調査は4年に一度の拡大調査を実施、健康日本21(第三次)のベースラインを得るとともに、一部の生活習慣などについて都道府県の状況を把握した。
今回の調査対象世帯数は、2万5,816世帯、 調査実施世帯数 が 1万0,414世帯 であった。野菜摂取量の1日平均値が高い県(男性)が1位福島県(356g)、2位長野県(313g)、3位新潟県(309g)、女性では1位長野県(322g)、2位福島県(297g)、3位宮城県(293g)となり、野菜摂取量が一番低い県は男女ともに和歌山県(220g、204g)であった。野菜摂取量の全国平均値は258.7g、男女別では男性(268.6g)、女性(250.3g)であり、男女とも高齢者になるほど摂取量が高くなる。健康日本21では平均350gを目標値にしている。果物摂取量の1日摂取平均値は78.1g、男性(70.4g)、女性(84.7g)と開きがある。男女とも70歳以上の摂取量が最も多い。
「糖尿病が強く疑われる者」(ヘモグロビンA1cが6.5%以上)は約1,100万人と推計され、平成9年以降増加している。「糖尿病の可能性を否定できない者」(同6.0%以上、6.5%未満)は約700万人と推計され、平成19年からみると減少している。健康日本21(第3次)では2032年(令和14年)までに「糖尿病が強く疑われる者」を推計値1,350万人までに増加抑制を目標にしているが、現状では右肩上がりに増加傾向にある。
食塩摂取量の平均値は9.6gであり、男女別にみると男性10.5g、女性8.9gである。県別でみると、男性の平均値で一番高い食塩摂取量の県は、山梨県と秋田県で11.7g、次が茨城県11.5g、続いて山形県、愛媛県、島根県が11.4gとなった。女性ではトップが宮城県、長野県、秋田県が9.8g、次いで岩手県と山梨県が9.7gと続いた。平均値が一番低い県は男性で和歌山県9.1g、女性で沖縄県と千葉県が7.8gであった。
栄養素別にみると、カルシウムは男女平均486g、 男性平均496g、 女性平均477gとなり、相変わらず不足状態となっている。食事摂取基準2025年版ではカルシウム推奨量は男性(30~74歳)で750 mg、女性で650 mg設定されているので、大きな開きがある。ビタミンDでは男女平均6.6 μgと食事摂取基準2025年版(男女とも12歳以上で9.0 μg)より非常に少ない。食事摂取基準2020年版では8.5 μgで、ビタミンDが不足がちな栄養素であるという現状を踏まえ、全国の日照時間による体内産生も考慮した上で設定されている。食物繊維摂取量の男女平均は17.7g、男性で18.8g、女性で16.7gで あり、食 事 摂 取 基 準2025年 版では食物繊維の目標量が男性30~64歳で22g以上、女性で18gとなっており、理想的な推奨摂取量を25gと2020年版から1g引き上げている。健康日本21(第3次)では食物繊維の主な供給源が野菜であることから、野菜摂取量を増やすことで目標を達成しようとしている。その他気になる栄養素は、N-3系脂肪酸は2.32g、ビタミンEは6.5 mg、葉酸266 μg、ビタミンC81 mgとなり、ほぼ充足している。
国民健康・栄養調査は国民の身体状況、栄養摂取状況および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的に毎年実施している。
「FOOD STYLE 21」2026年1月号 F’s eyeより
















