
【注目書籍】おいしそうな料理の写真で五感を刺激しながら集中力、判断力、記憶力を養う!

脳の6つの働きである空間認知力・記憶力・注意力・想起力・判断力・集中力を一気に活性化できる方法があるとしたら、脳の衰えが気になる大人だけでなく、若者や子どもにも良いはず。その方法は「間違い探し」にありました。2つの料理写真を見比べながら、時間内にその間違いを探しているだけで、脳の6つの働きだけでなく、五感を刺激してくれるという画期的な書籍『毎日脳活スペシャル おいしいまちがいさがし1 すし多め』(古賀良彦 監修/文響社)をご紹介します。
楽しみながら脳を活性化させる「間違い探し」

脳には「可塑性」という性質があるといわれます。「脳の可塑性」とは、外部からの刺激によってネットワークを変化させ、その変化を維持する性質です。つまり新しい刺激や学びがあると、脳はそれに適応し、より機能的な姿に変化するというわけです。
ですから、脳の可塑性を利用した“脳トレ”という手法は、脳を活性化させるためにとても効果的といえます。そんな脳トレのひとつに「間違い探し」があります。
決められた時間内に2つの写真の違いを見つける「間違い探し」では、意識を集中させ間違いを見つける「前頭葉」、視覚情報を記憶する「側頭葉」、位置関係や形などの視覚的空間処理を行う「頭頂葉」、視覚からの情報処理を行う「後頭葉」などが一斉に活性化するのだそうです。
本書では、寿司やラーメンをはじめ、さまざまな中華、洋食、和食、デザートなどの写真が1ページに2つずつ並べられています。その2つの写真を見比べ、1分間で違いをいくつ見つけられたか、全部見つけるには何分何秒かかったかを測ることがルール。
写真で見つけるのはとても小さな違いですが、それを探すことで「空間認知力」「注意力」「記憶力」「想起力」「判断力」「集中力」が強化されるのだとか。
また、間違いを見つけた瞬間は、一種の喜びに似た感覚が味わえます。この「アハ体験」は、ドイツの心理学者のカール・ビューラーが提唱した心理学上の概念。今まで気づかなかったことに気づく時、脳の神経細胞が一斉に活動をするそうです。
脳の研究が進んでいるために判明した「間違い探し」の効果の数々。子どもの頃から親しんできた遊びを楽しみながら、脳を活性化できるなんて、脳の老化を予防するためにも、子どもの成長のためにも、家族で楽しめそうです。
料理の写真で過去の記憶をフラッシュバック

それにしても実物大、写真によっては実物より大きいかもしれない料理写真を使った間違い探しには、脳トレ以外の意味はないのだろうか……と、気になります。
本書には「おいしそうな料理の写真を見ていると、その瞬間、過去にそれを味わったときの記憶がフラッシュバックのように鮮明に呼び起こされ、懐かしい『情景』」『味』『香り』『食感』『音』などが自然と脳裏によみがえってくるもの」とあります。
一つひとつの料理を見つめていると、一緒に食事をした人たちや会話の内容、その時かかっていた音楽、お店の内装……数々の思い出が蘇り、知らず知らずに「視覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」「聴覚」の五感まで刺激されるのだそうです。
それとともに食欲も刺激されるのが玉に瑕ですが、栄養を摂るためにはバランスよく、さまざまな料理を食べた方がいいのですから、きっとそれも良い刺激になることでしょう。
本書の監修者である古賀良彦先生はもともと、香りや食品が脳機能に与える効果を脳機能画像や脳波などで分析・研究してきた医学博士で、「楽しみながら解くのが、脳活効果を高めるコツ」といいます。
本書はまさに古賀先生の言葉を実践できる一冊です。

【書籍情報】
『毎日脳活スペシャル おいしいまちがいさがし1 すし多め』(古賀良彦 監修/文響社)
















