機能性表示食品制度等の告示改正公布
消費者庁は8月23日に食品表示法の食品表示基準を改正する内閣府令および告示改正を公布し、30日にも関連通知(機能性表示食品の届出等に関するマニュアル=消食表第775号課長通知等)を発出、機能性表示食品制度の見直し・強化を図った。同時に、関連して特定保健用食品制度も同様の措置(健康被害の報告、GMPの要件化等)が行われた。健康被害に関する情報提供の義務化などは9月1日から施行となった。
小林製薬事案を受けて機能性表示食品制度に関する今後の対応(5月31日の紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合の取りまとめ)を踏まえて、関連の部会等話し合いも含めて消費者庁は次のように改正概要を明らかにしている。
改正概要は、①届出者は健康被害と疑われる情報を収集し、情報を得た場合には、速やかに都道府県知事や消費者庁長官に提供することを遵守事項とする(9月1日施行)②届出日以降の科学的知見の充実により機能性関与成分について特定の保健の目的が期待できる旨の表示をすることが適切でないと消費者庁長官が認めた食品は、機能性表示食品の要件を満たさないことを規定(9月1日施行)③届出者は錠剤、カプセル剤等食品についてはGMPに基づく製造管理を行うことを遵守事項として規定(2年間の経過措置:令和8年8月31日まで)④「機能性及び安全性について国による評価を受けたものではない旨」「疾病の診断、治療、予防を目的としたものではない旨」、また摂取する上での注意事項として、医薬品等との相互作用や過剰摂取防止のための注意喚起を具体的に記載する等、表示の方法や表示位置などの方式等を見直し(2年間の経過措置:令和8年8月31日まで)⑤届出者は、遵守事項を遵守していることを届出後1年ごとに自己評価し、毎年消費者庁長官に報告することを遵守事項として規定(来年4月1日施行)⑥表示の内容、食品関連事業者名および連絡先等の食品関連事業者に関する基本情報、安全性および機能性の根拠に関する情報、生産・製造および品質の管理に関する情報、健康被害の情報収集体制、その他必要な事項について、届け出られるべき情報として具体的に規定、様式等については内閣府告示で定めることを規定(健康被害の情報収集は9月1日施行、その他は来年4月1日施行)⑦届出実績がない新規の機能性関与成分について、届出資料の確認に特に時間を要すると消費者庁長官が認める場合には、販売前の届出資料の提出期限について、原則60営業日を特例として120営業日とすることを規定(来年4月1日施行)と示されている。このほか、同日には食品衛生施行規則の一部を改正する省令も公布されている。厚労省は公布にともない都道府県に対し、健康被害情報の収集・提供に関するルールや様式などを通知した。
また、厚労省の厚生科学審議会食品衛生監視部会は8月27日~28日に持ち回り開催し、「機能性表示食品等の健康被害情報への対応に関する小委員会(第1小委員会、第2小委員会)」を設置することについて、全委員の賛成により了承されたと発表した。機能性表示食品等については食品衛生法に基づく健康被害報告の義務化等が行われたことから、報告件数の大幅な増加が見込まれるところであるとして、各都道府県等から報告された機能性表示食品等の健康被害情報について、専門的見地等に基づいた対応を検討するために小委員会を設置する。検討事項として、各小委員会は機能性表示食品や特定保健用食品等(生鮮食品を除く)の健康被害情報に対して、食品衛生上の措置の要否について検討を行うこととした。トクホのGMPの要件化は別途改正予定である。
「FOOD STYLE 21」2024年10月号 F’s eyeより