Webセミナー
「~ウェルネストレンド白書 Vol.2発刊記念~ 
7つの健康セグメントから紐解く マーケティング成功のヒント」レポート

一般社団法人ウェルネス総合研究所は、20代~70代、約4,600名の生活者の健康・ウェルネスに関する意識と行動分析に基づき、今後予測されるヘルス・トレンドシナリオを洞察した調査レポート『ウェルネストレンド白書 Vol.2』を2022年5月31日(火)に刊行しました。この白書の発刊に伴い、Webセミナー「~ウェルネストレンド白書 Vol.2発刊記念~ 7つの健康セグメントから紐解く マーケティング成功のヒント」を6月3日(木)に開催。白書の監修者であり、ウェルネス総合研究所理事およびグローバルニュートリショングループ代表取締役の武田猛氏、ウェルネス総研主席アナリストの白井俊行氏、青木健氏が登壇し、白書の調査結果から読み取れる注目すべき点や、白書の活用法についての解説が行われました。

Vo.1に新しいテーマを加え、より詳細にアップデート

今回、発刊された『ウェルネストレンド白書Vol.2』は基本的に定点観測という調査の側面があるため、前回のVol.1から調査方法に変更はありません。ただし、調査対象者についてはVol.1で行われた事前調査と本調査の回答者をすべて除外し、完全に異なる回答者に調査を行っています。結果、今回のVol.2では4,663件の回答が有効となっています。

調査内容においても大きな変更点はありませんが、新しいテーマとして「三大栄養素(脂質・糖質・タンパク質)に対する志向性」を追加しています。この「三大栄養素」について、生活者が積極的に摂りたいものや控えているものを7つの健康セグメントごとに細かく分析し、摂取意向を5段階で色分けして示しています。この志向性がわかることで、今欧米で話題の「ケト・ダイエット」や「ローカーボ・ダイエット」などについての志向も分析することができます。つまりVol.2はVol.1を踏襲しながらも、より詳細に、ユーザーのニーズに基づいてアップデートさせているといえます。

7つの健康セグメントと健康情報源

このウェルネストレンド白書の最大の特徴は、生活者をウェルネスに関わる「7つの健康セグメント」で分析し、考察している点です。7つの健康セグメントとは、「健康ストイック層」「健康コンシャス層」「コツコツ健康層」「ラクして健康層」「まだ大丈夫層」「トレーニング大好き層」「健康無関心層」の7つの分類。Vol.1に続いて、このセグメントを考察することで、新しいビジネスの可能性が発見できるということ、あるいは既存のビジネスにおいてターゲットとどのような関係性をつくるのか、そのためにどのような情報を発信すればいいのかが見えてきます。
また、健康セグメントごとに見ていくことで、健康行動や志向についての傾向を補完することができます。各セグメントには職業・世帯年収、個人年収、サプリメントや健康食品にかけている金額、かけてもいい金額、健康生活度や幸福度(ウェルビーイング)といったところまで詳細に示されています。

では、ウェルネストレンド白書の膨大なデータをどのように読み解いていくべきでしょうか。白書は全体に大きく「本編」と「データ編」に分かれています。「本編」では主要なデータと解説を取り上げており、全体傾向やポイントだけをまずは押さえたいという場合はこちらから読んでください。一方、「データ編」は特定のヘルスベネフィットや素材・成分について知りたいという場合にお勧めします。性年代別のクロス集計表も用意しています。

また、健康セグメント別の「健康情報源」の分析にも注目してみてください。全体で見ると、テレビ番組・CMが依然として影響力があります。しかし健康セグメント別にみると、特徴的なのが「健康コンシャス層」の情報源。「健康コンシャス層」の主な情報源はSNSで、特にユーチューバーや一般の方の企業公式以外のYouTube動画を参考にしているという傾向があります。美容系でよくみられる特徴が健康系でも見られるということです。
このように健康情報の入手経路を例にしても、従来の手法を見直すきっかけになるのではと考えております。そうした考察も7つのセグメントの分析を通じて見えてきます。

「3大栄養素」から読み解くトレンド

今回、調査に加えられた「三大栄養素の摂取意向」については、三大栄養素の摂取法を欧米の傾向と比較することにより、トレンドの取り入れ方が見えてきます。例えば、日本は脂質を減らす「ローファット」志向に向かっていますが、欧米は逆に炭水化物を減らし、脂質を増やした食事内容にする「ケト・ダイエット」が流行しており、脂質に関しての考えが異なります。三大栄養素の摂取意向を健康セグメントごとに細かく分析したデータを読み取り、海外のデータと比較することで、日本は今どのような傾向にあるかを捉え、次のトレンドを模索することができます。
ただし、日本人と欧米人の脂質の摂取量を比較すると、欧米は日本の2倍以上摂取しているという状況があります。元々、脂質が多い食事を摂取している欧米人にとってケト・ダイエットをすることは容易でも、日本人が実践するには脂質を相当増やす必要があり、トレンドをそのまま移行してもビジネスにならない可能性も考慮しなければなりません。

サイエンスの商業化を成功に導く「トレンドワード」分析

今回追加されたテーマの一つが「トレンドワード」です。ウェルネス総研の理事、研究員、フェローなどが注目する健康ワードについて、どの程度の認知度や理解度また実践意向があるのかなどを調査しています。各健康セグメント別の理解率の分析により、たとえば、今自分たちがビジネスをする関連ワードに近いものが、どの層にどのくらい認知されているのかなども模索することができます。また健康セグメントごとに、今後注目すべきワードについても考察可能なデータが揃っています。
たとえば、トレンドワードに挙げている「アダプトゲン」については、女性よりも男性に理解率が高く、「トレーニング大好き層」の実践者が多いといった傾向があります。このようにトレンドワードごとに分析が行われており、ムードフードに関する流行ワードとして、「アダプトゲン」と「ヌートロピクス」の2つのキーワードで商品開発をするといったアイデアにつなげることもできます。

サイエンスの商業化に成功するためには、競争環境を把握するということ、消費者の考えやトレンドを知るということ。そしてそれをどのように連携させるかを理解することが重要です。マーケティングは商品同士のバトルではありません。消費者へ送り込む知識のバトルだ’ともいわれています。
ビジネス戦略として、消費者にどのような知識を送り込み、消費者の価値観や判断基準を変えて、行動変容や習慣まで変えていくのか。この白書はそのために必要なデータを十分押さえているものといえます。

分析データから見えてくるマーケティング成功のヒント

ウェルネストレンド白書の分析データを通じて、新たなターゲット層として注目すべきは、20代~50代で全体の45%程度存在する「まだ大丈夫層」「健康無関心層」といった健康リテラシーの低い層です。「マーケティングの力でこれらの層の健康リテラシーを底上げすることができるか」という視点も重要なのではないかと考えています。知識がない人ほど、自分の能力を過大評価するという認知バイアスについての仮説に基づきつつ、こうした層に対する行動変容を促すための「課題啓発」という最初のステップを、「いつかやればいいや」ではなく、「むしろ今やる必要がある」という考えにシフトさせていくことが必要ではないでしょうか。
なぜ今やる必要があるのかという点では、サイエンティフィックの進歩によって、ここ数年で生活者に提供できる健康価値(情報)に変化が生じているということ。それに伴って健康リテラシーも「イノベーション」による加速があると想定しています。
「イノベーション」とは、たとえば、生命科学観点において「老化は病気」と捉えられているということが挙げられます。この観点で「課題と解決策」をストーリーとしてわかりやすく伝えていくことで、新しい健康価値観が浸透していくのではということです。

たとえば、ニュージーランド南島のダニーデン市で1972年から73年に生まれた約1000人を26歳から45歳までの20年間追跡した研究(ダニーデン研究)による「Pace of aging」があります。これは老化のペースは人によって差があり、不健康な人ほど老化ペースが進みやすく、老化が早い人と遅い人の間には約2歳の幅があるというものです。早いうちから老化ペースを緩やかにする健康的な生活に取り組むほど、その恩恵は大きいということに気が付かせることによって、「いつかやればいいや」と思っていた健康への取り組みも、「むしろ今やる必要がある」という意識変容が生じるのではないでしょうか?また、早期からエイジングや生活改善に取り組み、行動が習慣化され、その成果を感じられることによって、より幸福度が高い毎日が送れるのではという点から、ウェルビーイングの実践につながるとも考えています。

自分が健康的な生活が送れていないことを知り、そこにわかりやすくどうすればよいかの解決策を提案し、習慣化していく。こうした日本人の健康度を底上げするための行動変容(パーセプション・ビヘイビアチェンジ)を促すための「課題啓発」+「解決策」を組み合わせたわかりやすいストーリーの開発と、健康行動をサポートする仕組みづくりも今後、マーケティングとして考えていきます。

ウェルネス産業における新しいビジネスチャンスの発見はもちろん、みなさんが今持っているビジネス上の仮説やデータの補強としても、今回発刊された『ウェルネストレンド白書Vol.2』の活用をぜひご検討ください。

武田 猛 氏 プロフィール

株式会社グローバルニュートリショングループ代表取締役。18年間の実務経験と18年間のコンサルタントとしての経験を積み、36年間一貫して健康食品業界でビジネスに携わる。コンサルタントとしては国内外合わせて650以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。ウェルネス総合研究所・理事。

白井 俊行 氏 プロフィール

株式会社インテグレート 戦略コンサルティング事業本部 アナリティクス&データ部 部長 兼 ウェルネス総合研究所 主席アナリスト。CRM/デジタル領域におけるアナリスト経験と、クライアントのビジネス課題をコミュニケーションで解決する戦略プランナーの両方の経験を持つ。担当領域は、KPI策定、調査設計、⾏動ログ分析、予測モデル構築など多岐にわたる。

⻘⽊ 健 氏 プロフィール

株式会社インテグレート 戦略コンサルティング事業本部 コンサルティング部 プロジェクトマネージャー 兼 ウェルネス総合研究所 主席アナリスト。マーケティングリサーチ領域における定量・定性調査設計/および分析の経験と、生活者インサイトをベースとした戦略プランナーの両方の経験をもつ。担当領域は主にFMCGの商品開発支援、ブランド戦略⽴案、新規事業開発支援など多岐にわたる。


ウェルネス総研レポートonline編集部

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