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【マーケット】欧州のInProveプロジェクト:廃棄野菜から高食物繊維の原料を開発
廃棄される野菜から栄養価の高い食品原料を開発するプロジェクトが欧州で進んでいる。
これは、EUが資金援助して行われるInProveプロジェクトで、ベルギーのILVO研究所においてInProve研究チームが野菜の根の破片や、スーパーから返品された野菜を使い、プラントベース食品用の高食物繊維原料の開発、生産を奨励するものである。
世界の食品廃棄物は毎年14億トンにのぼり、そのうち野菜の廃棄だけで4億トンに達すると推定される。野菜作物の最大40%は、色や形がスーパーの要求する基準に見合わないとして捨てられている。そうした野菜は見た目が悪いかもしれないが、味にそん色はなく、栄養価も劣らない。
InProveプロジェクトは、こうした廃棄野菜をヘルシーな原料に生まれ変わらせることを目的としている。例えば、廃棄野菜から生産した原料と大豆由来たんぱく質とを配合、さらにたんぱく質アイソレートや濃縮物とブレンドし、高水分押出調理技術を用いてベジバーガーパテを生産する。研究チームによると、「この結果は目を見張るほど」で、バーガーにジューシーさが加味され、さらに食物繊維が豊富な商品が出来上がったという。
また、消費者の間では、短時間で手間をかけずに用意できる加工食品への関心が高まっており、ただ便利という理由だけではなく、栄養価が増した食品が求められ、この分野でも需要は増えている。
ILVO研究所では、ニンジン、ゴボウ、エンドウマメ、マッシュルームなどの原料開発を行い、これらが代替肉として市場性があるかどうかを検証している。
研究者は、「InProveプロジェクトは、人や地球に健康な食生活をもたらす手段に成り得る」と、自信を示した。
「GNGグローバルニュース 2022年3月25日号」より