どん底体験が原点――リアルとデジタルで10万人と繋がる美腸プランナー・喜多よしかさんが伝える、「腸活」と自分らしいウェルネスの選び方

腸活ブームの中、情報が増えるほど迷ってしまう人も少なくありません。そんな時代に、モデル・美腸プランナーの喜多よしかさんが貫いてきたのは、「自分が本当に良いと思ったものだけを届ける」という姿勢です。30代で心身のバランスを崩したどん底の体験を原点に、体で覚えた腸活をリアルとデジタルで発信し続け、1年間でインスタフォロワー10万人・著書出版という目標を自ら掲げ、有言実行で達成。当事者だからこそ届く言葉と、その誠実な姿勢が共感と信頼を集める喜多さんに、腸活と自分らしいウェルネスの選び方を聞きました。

どん底の体験が原点に。経験者だからこそ届けられる腸活発信

喜多さんが腸活に向き合い始めたのは、30代で心身のコンディションを大きく崩したことがきっかけでした。朝起きられない。顔が半端なく腫れ上がり、目が開かない。仕事で使う台本の冒頭が、何度読んでも出てこなくなる。

「これはやばいかもって思ったんですけど、当時は原因がわからなかったので、通院して、3万円の注射を言われるまま月1、2回。点滴は1週間に1回。飲む薬の量が増え、働いても、働いてもお金がなくなっていきました」

薬の副作用と精神的な疲弊も重なり、顔はムーンフェイス、六キロ増えた体を鏡で見るたびに「もう消えた方がいいかな」という気持ちがよぎる日々。モデルという「見られる仕事」をしながら、内側は限界へ向かっていく。背景にあったのは、「頑張ること」が前提になっていた価値観だといいます。

「地元である北海道でモデルやタレント業をしていた私は、収録が終わると好きなものを食べる生活を送っていました」

「20代って気合でいけちゃうんですよ。でも20代のうちから、ちょっと風邪を引きやすいな、疲れやすいなってサインはあったんです。それでも”好きな仕事をしているんだから、これくらい我慢しなきゃ”って、自分で自分に厳しくしていましたね。そうすると自律神経も乱れますし、今思うと当時は呼吸も浅かったし、巡りも悪くなっていたなと思います」

理学療法士の友人の勧めで腸活を始め、グルテンフリー、玄米、欧米型の食事法と、「良い」と言われるものを次々試すも、最初はどれもしっくりこなかったり、逆に体調が悪化したりすることも。それでも諦めず、作業療法士としての医療・身体の知識をベースに、「美腸プランナー」「ヒーリングフードインストラクター」の資格を取得。アーユルヴェーダや東洋医学も学びながら検証を重ねるうちに、東洋医学や日本の食文化を取り入れた食事法など自分に合った腸活が見つかっていきました。現在も新たな資格取得に向けて学び続けています。

今から4年半前の写真。朝起きると顔はパンパンにむくみ、具合が悪くて髪の毛のケアもできない状態だったそう

「東洋医学の陰陽バランス、季節や旬を意識した食事や生活にして、自分の心身の声を聞くことを大切にしてみたら体が喜ぶのがわかるし、結果も出るようになりました。顔の腫れが引いて、朝の目覚めが変わって、昨日までできなかったことが少しずつできるようになっていく。気づけば、50代60代と未来の自分を想像することが、どんどん楽しみに変わっていきました。この実体験が、発信へと踏み出す原動力になっています」

「大丈夫だよ」と言える存在へ。発信を始めた理由と、10万人に届いた秘訣

「体調が悪かった時、一番欲しかったのは完璧なレシピでも医学的な解説でもなく、同じ経験をした先人の声だったんです。どうやって乗り越えたのか、そのプロセスが知りたくて。そして、”大丈夫だよ”って言ってほしかった。安心したかったし、希望を持つきっかけが欲しかったんです」

モデルという仕事柄、どん底だった自分をさらけ出すことへの抵抗は大きかったといいます。それでも「綺麗な自分だけ見せても本当の私じゃないし、説得力も出ない」と決意し、ビフォーアフターと腸活レシピをメインに発信をスタート。「1年間で10万人にして本を出す」と目標を決め、有言実行で著書『キレイな人になる腸活美容』(KADOKAWA)を出版しました。

『マネするだけで新しい自分に生まれ変わる キレイな人になる腸活美容 』 KADOKAWA。本全体の医学的知識において消化器内科医の工藤あき先生が監修

発信のコンセプトとして掲げたのは、「手抜き」。そして、ターゲットにしていたのは30〜40代の働く女性。頑張り屋で、周囲にエネルギーを使ってしまう人たち——つまり、過去の自分自身だったといいます。

「”ちょっと私が我慢すれば”を積み重ねてしまう人って多いと思うんです。そして、その積み重ねが体調不良につながってしまう。私自身の経験からも、そこに気づいてほしいなという思いが大きくて。だから発信するレシピや美容・健康にまつわる情報は、自分がどん底だった時でもできるものだけにしようって決めていました。丁寧な生活は素敵ですが、元気がない人がやるには難しいと思うんです。だからこそハードルを徹底的に下げることを意識しました」

約1年で10万人のフォロワーを集めた理由について、喜多さんは「手抜き」というコンセプトに加え、自分自身の変化を隠さず見せたことが大きかったと振り返ります。「正直、目が腫れた写真を載せるのはすごく恥ずかしかったです。でも、”私も同じです”“励まされました”とメッセージをくださる方が本当に多くて。あの時、隠さなくてよかったなって思いました」

「家族に渡せないものは売らない」。信頼を軸にした、ぶれない発信哲学

発信を続けるなかで、喜多さんが一貫して大切にしてきたのは、自分が実際に試して「良い」と思ったものだけを届けるということです。腸活ブームの中、声をかけていただく案件も増えていきました。でも喜多さんは、数字よりも大切にしてきたことがあると話します。

「腸活を通じて、こだわりをもって丁寧に想いを込めて作られたものに出会う機会が増えました。自分が本当に良いと感じたものをみなさんに届けたいです」

「自分は知識のない側だったから、情報に振り回されて遠回りしたり、苦い経験も沢山してきました。だからこそ、自分が実際に試して納得したものしか届けたくないという気持ちが強くて。実践なしに情報だけお伝えするのは、私にはどうしてもできなかったんです。そこで、自分の家族とか大切な人に自信を持って渡せる商品かどうかを確認し自問自答するようにしています。 私にはアトピーで悩んでいた妹がいて、その妹に安心して使ってもらえるかも判断基準のひとつになっていますね」

その信頼は、フォロワーとの関係にも表れていて、最近では「上司にこんなことを言われた、どう立ち向かえばいいかわかりません」といった、腸活以外の生き方への相談も増えてきているそうです。

すべてに応えることはできない——そう前置きしながらも、喜多さんは、できる限り向き合おうとしていると話します。

「体調が悪かった時の自分を思い出すと、”誰かの言葉に救われる瞬間”って本当にあるなと思っていて。今はライブ配信やラジオ配信を通じて、皆さんからの質問や相談に向き合う場を作るようにしています。人生を大きく変えるきっかけって、意外と小さなことだったりすると思うんです。だから何らかのご縁でフォローしてくださった方に、ヒントとして受け取ってもらえるものがあればという気持ちで、日々発信しています」

足で稼ぐ信頼——オフラインイベントから将来は自分のブランドを。広がる活動の輪

その言葉を体現するのが、7月に都内で実施するオフラインイベントです。フォロワーから「会いたい」という声が多く寄せられていたことを受け、腸活の話を聞いて、質問に答えて、撮影会をするという場を設けました。第一回はすぐに満席に。自身の出身地である北海道をはじめ、全国各地での開催を目指しています。

7月のオフラインイベントはABC COOKING STUDIOがプロデュースする丸ノ内のリアルのイベントスペースStudio Bで開催予定

「三十秒一分のリールでは伝えきれないことが、会うことで伝わる。実際にリアルで動くことが大事だと思っています」

イベントを企画するにあたっては、フォロワーの方に事前にアンケートを実施。「アンケートでは、難しい知識よりもまず”体験してみたい”という声が多かったので、ゆるっと学べる場にしようと思っています」。そして、今は利益度外視で、まずは足を使って全国にフォロワーとのつながりを作っていくことを優先していると話します。

その先に見据えているのは、腸活を根本に置きながら、ファッションやメイク、生き方まで含めたライフスタイル全体へと発信を広げていくこと。「根本は腸活ですが、“この人何でこんなに元気なんだろう”、“綺麗の秘密は何だろう”って思ってもらえるような存在になっていきたいですね」

ウェルネスとは、自分にアジャストメントをかけること

「その人がのびのびと、自分らしく、自分の個性を使って人生を楽しめること。心身の機嫌が自分で取れるような状態のために、自分を整えていくことが大事だと思っています。周りの環境や人はコントロールできなくても、自分の選択は今この瞬間から変えられる。どんな自分になっていくかを自分で選び、行動していく。自分にアジャストメントをかけて、心地よい人生を切り開いていけるような選択ができること。それが、私にとってのウェルネスだと思っています」

情報があふれ、AIが真偽の判断を難しくするいま、喜多さんが積み上げてきた信頼は、発信からイベント、そしてブランドへと、着実にその輪を広げています。

取材・文/坂本アヤノ 撮影/藤本孝之

喜多 よしか さん プロフィール

モデル・タレント/美腸プランナー ファッションショー、テレビ番組、CMなど幅広いフィールドで活躍するモデル・タレント。自身の体調不良をきっかけに”腸活”に出会い、その効果を実感したことから美腸プランナーとしての活動もスタート。リアルで無理のない腸活ライフを発信するSNSが多くの共感を呼ぶ。初の著書『キレイな人になる腸活美容』(KADOKAWA)を2025年6月に出版。


ウェルネス総研レポートonline編集部

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