「ウェルネストレンド白書Vol.4」から導く、令和ミドルの行動変容戦略と創造型市場の作り方

【第3部】パネルディスカッション「健康意識を変え、行動変容を促すには誰に、どう打ち手を講じるか」

第3部のパネルディスカッションでは、「健康意識を変え、行動変容を促すには誰に、どう打ち手を講じるか」と題し、登壇者2人に健康医療ジャーナリストの西沢邦浩氏と、当総研プロジェクトリーダーでモデレーターの臼倉さえこ氏が加わり議論を交わしました。

特に注目されたのは、健康に関心が低いとされる令和ミドル世代男性へのアプローチです。彼らは単に無関心なのではなく、様々な環境要因から健康が後回しになっているケースがあって、価値観や年齢による一時的な健康意識の低下が背景にあると指摘しました。

ウェルネストレンド白書vol.4より

具体的なアプローチとしては、「疲労感軽減」「腸活」など、体感しやすく可視化できるテーマが有効であるという意見も。前述の「ナナメずらし発想」や、SNS上で流行の“界隈化”による共感の連鎖などが、新しい市場を生む可能性も示唆されました。

一方で、デジタル疲れの反動として、編み物や創作などの趣味に没頭する層への着目も興味深い点だと指摘。他の層とは異なる独自の傾向を持つ「トレーニング大好き層」は、先端的な健康情報への反応と情報発信力を持つ存在として目が離せません。

行動変容に関しては、「脅し型」ではなくポジティブな動機づけが有効で、小さな成功体験や体感の積み重ねが継続を促す期待につながるだろうという意見も。その人が既に実践している分野で、「もう少しプラスになるような提案」が受け入れられやすいのだろうと語ります。

マーケティングにおいては「何を言うか」ではなく「どう伝えるか」が重要で、実践はしていないものの対策意向がある消費者に対しては、行動を促す創造的な市場形成が求められているという点で意見が一致しました。

ウェルネス総研レポートonline編集部

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