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免疫もホルモンも。筋肉や肌だけでない「たんぱく質の機能」に集まる注目

アスリートや運動習慣のある方のみならず、美容や健康のために積極的に食事時に取り入れられるようになった「たんぱく質」。中でも、新型コロナウイルスの流行や健康に対するニーズの拡大により、体の組織や器官の調整、免疫システムの促進・維持など体の機能を整える働きのある「機能性たんぱく質」に今注目が集まっています。今後、「機能性たんぱく質」の機能性を付加した商品は増えていくと予想され、商品市場の成長が期待されています。

今更聞けない「たんぱく質」の働きと分類

人の体の約60%は水分で構成されており、15~20%はたんぱく質でできています。たんぱく質は、筋肉や骨、臓器、血液、肌、髪、爪、歯などのほか、アドレナリンやインスリンなどの体内ホルモン、消化や代謝に働く酵素、免疫物質などをつくっており、栄養素や酸素の運搬なども行なっています。また、微量ではありますがアミノ酸としてエネルギーの一部にもなっており、それぞれの役割は20種類のアミノ酸の配列により決定しています。

これらの働きをもつたんぱく質は、形態によって「構造たんぱく質」と「機能性たんぱく質」に大きく分けられます。構造たんぱく質とは、筋肉や骨、臓器、血液、肌、髪、爪、歯など体を構成するたんぱく質のこと。機能性たんぱく質とは、体の組織や器官の調整、免疫システムの促進・維持、栄養素の運搬などを行う生物学的に活性なたんぱく質を指します。

機能性たんぱく質の働きとは

機能性たんぱく質には主に以下のような働きがあると考えられています。

・酵素として代謝に関与する(アミラーゼやペプシンなど)
・筋肉の収縮を担う(筋肉収縮たんぱく質)
・生体防御機能(免疫グロブリンとも呼ばれる抗体や補体など)
・ホルモンとして代謝を調整する(インスリンやグルカゴンなど)
・栄養素や酸素を運ぶ(アルブミンやヘモグロビンなど)
など

機能性たんぱく質は、体の組織や器官、免疫や代謝、栄養の輸送、神経伝達物質の情報伝達など、体を維持するために不可欠な様々な機能を請け負っています。

商品化されている機能性たんぱく質の種類

構造たんぱく質と同様、機能性たんぱく質も牛肉、乳製品、卵、ゼラチン、植物、豆、大豆、小麦粉などを原料に加水分解や濃縮・分離され、カプセル、液体、粉末、錠剤など様々な形の栄養補助食品や機能性食品に加工されています。例えば、鉄代謝調整作用のほか、抗菌・抗ウイルス作用、抗炎症・抗アレルギー作用、免疫調整機能、骨形成作用、抗がん作用など様々な作用があると言われるラクトフェリンを配合したサプリメントやヨーグルト、乳児用粉ミルクもそのひとつです。

機能性たんぱく質市場の展望と動向

乳製品、飲料、乳児用粉ミルク、菓子など様々な分野で特徴のある分離たんぱく質や濃縮たんぱく質などの原料を製造することができると考えられ、それらを原料に加えて「機能性たんぱく質」の機能性を付加した商品市場はさらに伸びていくと予測されます。また、植物性たんぱく質原料の製品に対する顧客のニーズが高まっていることも、機能性たんぱく質市場を成長させる一因になるのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの流行や健康意識の高まり、健康はもちろん、美活、婚活、妊活などライフスタイルの変化が多いミレニアル世代の人口増加も影響して、機能性たんぱく質の需要は高まっています。また今後数年間、発展途上国では医療用栄養剤の需要が拡大することが予想されています。免疫調整機能や代謝調整機能など様々な可能性を秘めた機能性たんぱく質は、医療や介護など幅広い分野で今後ますます需要が高くなると考えられます。
小麦、大豆、牛肉、豚肉といった主なたんぱく質源を輸入に頼る日本では、食料自給率(カロリーベース)が38%と先進国の中で最下位という低さは大きな問題で、健康格差は今後さらに広がっていくことが予想されます。その中で、バランスのとれた食生活の維持や栄養価を高めることの重要性に対する理解は広がり、機能性たんぱく質の需要は高まっていくと考えられます。

機能性たんぱく質の研究、商品化がさらに進めば、生活環境や年齢などに応じて必要な食品が自由に選べるようになり、個別最適な健康生活の実現がより可能になるかもしれません。


ウェルネス総研レポートonline編集部

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