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04認知症コラム

認知症治療に使われる貼り薬とは?
種類やメリット、
注意点についても解説

2026.01.30

認知症治療に使われる貼り薬とは?種類やメリット、注意点についても解説

近年、認知症治療に、リバスタッチパッチやアリドネパッチと呼ばれる貼り薬が処方されることが増えてきました。服薬管理がしやすく、消化器系の副作用が起こりにくいなどのメリットもあり、近年注目度が高まっています。この記事では、認知症治療に貼り薬を用いるメリットや注意点、貼り薬以外の治療法についても紹介します。

認知症治療に使われる貼り薬とは?

アルツハイマー型認知症の症状を抑制する効果がある

認知症の治療に使われる貼り薬は、基本的にアルツハイマー型認知症の症状を抑制する目的のものです。現在、日本で使用されている貼り薬は2種類あります。1つ目は「リバスタッチパッチ」と「イクセロンパッチ」で、これらは同じ成分の薬ですが製薬会社が異なるため名称が違います。2つ目は「アリドネパッチ」です。

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認知症治療に使われる貼り薬とは? イメージ

認知症治療に使われる貼り薬の種類

認知症治療に使われる貼り薬は、いずれも脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの量を増やし、記憶障害や見当識障害などの症状の進行を遅らせるアセチルコリンエステラーゼ阻害薬です。種類ごとの特徴を解説します。

リバスタッチパッチ・イクセロンパッチ アリドネパッチ

リバスタッチパッチ・イクセロンパッチ

リバスタッチパッチとイクセロンパッチの有効成分は「リバスチグミン」で、フィルム型の貼り薬です。1日1回、背部か上腕部、胸部のいずれか健康な肌に貼り、24時間ごとに貼り換えます。

リバスチグミンは、脳内の神経伝達物質「アセチルコリン」の量を増やし、認知症に特有の症状の進行を遅らせる成分です。通常は4.5mgか9mgから始め、4週間ごとに4.5mg増量し、18mgで維持します。

アリドネパッチ

アリドネパッチの有効成分は「ドネペジル」です。アルツハイマー型認知症患者に対する日本初の経費吸収型製剤として知られています。

リバスタッチパッチとイクセロンパッチと同様、1日1回、背部か上腕部、胸部のいずれか健康な肌に貼り、24時間ごとに貼り換えることが必要です。通常は27.5mgから始め、4週間以上経過後に55mgに増量することも可能で、重症度によって調整します。

認知症治療に貼り薬を使う4つのメリット

認知症治療には経口薬が処方されることもありますが、アルツハイマー型認知症では貼り薬が処方されるケースもあります。
貼り薬を使用するメリットについて見ていきましょう。

嚥下困難や服薬拒否への対応に役立つから

貼り薬は、飲み薬の服用が難しい場合でも皮膚からの投与で治療を継続できる有効な手段です。認知症が進行して服薬を拒否する場合でも介護者が貼付するだけで対応可能で、嚥下機能が低下した高齢者にとっても安全かつ確実な投与方法となります。

服薬管理がしやすいから

残数から貼付状況を簡単に確認できる点も、貼り薬のメリットです。服薬忘れや重複投与のリスクが減るため、介護者の負担も軽減されます。

また、いずれの貼り薬も、原則として1日1回の貼付で済むため、服薬に時間がかからないこともメリットといえるでしょう。

消化器系の副作用を軽減できる可能性があるから

貼り薬は消化管を通らないため、経口薬で起こりやすい吐き気や下痢などの消化器症状が起こりにくくなります。胃腸への負担が少なく、食事の影響も受けにくいため、安定した薬効が期待できます。

※個人差はありますが、貼り薬により消化器系の副作用が生じることもあります。

血中濃度の安定につながるから

貼り薬は皮膚から持続的に成分が吸収されるため、血中濃度が一定に保たれやすくなります。薬効の波が少なく症状の変動を抑えやすいうえ、飲み忘れによる急激な効果低下を防げるため、安定した治療を継続できます。

認知症治療で貼り薬を使ううえでの注意点

貼り薬はメリットの多い薬剤ですが、使用には注意が必要です。以下で、主な注意点を紹介します。

決められた使い方を守る かぶれや炎症などの副作用がみられる場合がある 入浴時の貼付状態に気をつける

認知症治療で貼り薬を使ううえでの注意点 イメージ

決められた使い方を守る

医師の指示に従い、決められた用量・用法で使用するようにしましょう。指示を守ることで、安全性が高まり、薬剤の効果を最大限に引き出せます。効果が得られないように感じるときも、自己判断で使用量や貼付時間、貼り換えの間隔を変更しないようにしましょう。

ポイント
  • 1日1回、1枚のみを貼付する
  • 医療従事者もしくは介護者の管理下で貼付する

かぶれや炎症などの副作用がみられる場合がある

貼り薬の使用中にかぶれや炎症が現れた場合は、同じ場所への再貼付を避け、別の健康な部位に貼り替えましょう。軽度の皮膚トラブルでも放置すると慢性的な炎症や色素沈着につながる可能性があるため、早めに医師に相談することが重要です。ステロイド剤を併用することで貼り薬の治療を継続できる場合もあります。

ポイント
  • 同じ場所に繰り返し貼付しないようにする
  • 皮膚の状態を毎日チェックする

入浴時の貼付状態に気をつける

基本的には貼付したままで入浴が可能です。しかし、高温・高湿の環境下では粘着力が低下しやすくなります。また、湿気や汗などで貼付面が湿ると、成分の吸収に影響が生じる可能性があります。

ポイント
  • 入浴前に剥がし、入浴後に新しい貼り薬を貼る
  • しっかりと水気を拭きとってから貼付し、しっかりと密着させる

貼り薬以外の認知症の治療法

認知症の治療法は、貼り薬などの薬物療法だけではありません。ここでは、一般的な治療法を紹介します。

非薬物療法 手術

貼り薬以外の認知症の治療法 イメージ

非薬物療法

非薬物療法は、薬に頼らず患者本人の持つ能力を引き出す治療法です。認知機能や運動機能の維持・強化を図ることで、転倒予防や精神的安定といった効果も期待できます。治療を継続するには、本人が無理なく楽しめる方法を選ぶことが重要です。

非薬物療法の例
リハビリテーション 心理療法 回想法 運動療法 音楽療法

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手術

認知症の原因が正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などの特定疾患の場合、外科的手術による治療が選択肢となります。この方法は認知症自体を治すのではなく、原因となっている疾患を取り除くことで症状の改善を図るアプローチです。原因疾患を外科的に除去することで、認知機能が回復するケースもあります。

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認知症治療に使う貼り薬に関するよくある質問

認知症治療に貼り薬が処方されるケースも少なくありません。実際に使用する前に、気になる疑問を解消しておきましょう。

Q貼り薬は認知症治療においてどんな効果がありますか?

リバスタッチパッチやアリドネパッチなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、アルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制する効果が期待されます。

Q貼り薬はどこに貼るべきですか?

背部や上腕部、胸部のいずれかの健康な肌に貼ることが求められています。かぶれたときは、他の場所に貼るか医師に相談しましょう。

Q貼り薬はどれくらいの時間で効果が出ますか?

認知症の貼り薬は、認知症そのものを治療するのではなく、症状の進行を遅らせる薬剤です。そのため、わかりやすい効果が出るものではありません。しかし、途中で治療を中止すると何も治療しなかったときと同程度まで症状が進むこともあるため、自己判断で中止しないようにしましょう。

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アルツハイマー型認知症の治療には、貼り薬が用いられることがあります。経口薬と比べて服用忘れが少なく、管理しやすいため、治療の選択肢として検討できるかもしれません。使用するときは、正しい使い方や副作用、管理方法について医師から詳しく説明を受けるようにしましょう。

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