文字サイズ

04認知症コラム

脳を活性化!日常生活に役立つ
脳のトレーニング方法や食べ物を解説

2025.05.30

脳を活性化!日常生活に役立つ脳のトレーニング方法や食べ物を解説イメージ

脳の活性化は、集中力や記憶力の向上につながり、日常生活や仕事の生産性を高めます。しかし、具体的にどのようなことをすればよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、脳を活性化させるための方法、食べ物など、即効性のあるものから長期的な取り組みまで、誰でも実践できる脳の活性化方法について詳しく解説します。

脳の活性化ってそもそもどんな状態?

脳の活性化ってそもそもどんな状態?イメージ

「脳の活性化」の定義は、大きく分けて以下の2パターンです。

  • 脳の神経が活発に働くことで脳の血流量が増え、十分な酸素や栄養が供給されている
  • 神経細胞間の結びつきが強化され、情報伝達がスムーズに行われている

脳が活性化すると、情報処理能力が高まり、さまざまな状況に柔軟に対応できるようになります。また、ストレスの軽減や感情の安定にもつながり、メンタルヘルスにも好影響です。

脳は加齢と共に衰えていくものと考えている方は多いでしょう。しかし、日頃から脳の活性化に取り組んでいれば、年齢を重ねても認知機能を維持しやすくなります。豊かな生活を送るための基盤の構築につながるでしょう。

脳活性がもたらすメリットは?

脳の活性化は日々の生活においてさまざまなメリットをもたらします。まず期待できるのが集中力や記憶力といった認知機能の向上です。これは日常生活や仕事における生産性の向上につながるほか、認知症の予防にも期待できます。

さらに、脳の活性化は心の健康とも密接に関係しており、ストレスの軽減や感情のコントロールがしやすくなる点もメリットです。とくに高齢者にとっては、継続的な脳の活性化が認知機能の維持につながり、生活の質を保つための重要な要素となります。

  • 集中力や記憶力の向上
  • 日々の仕事や生活の生産性の向上
  • ストレスや精神疾患の予防
  • 認知機能の向上

日常生活でできる脳活性化の方法5選

脳を活性化させるといっても難しく考える必要はありません。その方法は多岐にわたり、かつ誰でもすぐに実践可能です。ここでは、日常生活で簡単に取り入れられる脳活性化の方法を5つ紹介します。

運動やストレッチで体を動かす 趣味を楽しむ 他人との会話やコミュニケーションで交流する 質のよい睡眠を十分にとる 新しいことに挑戦する

運動やストレッチで体を動かす

定期的な運動は、脳の活性化に非常に効果的です。体を動かすことで全身の血液循環が促され、脳に酸素や栄養が行き渡りやすくなります。とくに有酸素運動は、脳細胞の活性化を促し、記憶力や思考力の向上につながるといわれています。ウォーキングやジョギング、水泳、ヨガなど自分にあった運動を取り入れてみるとよいでしょう。

また、運動には心身のストレス緩和効果もあり、脳の健康によい影響が見込めます。

趣味を楽しむ

脳を活性化させるためには、趣味に打ち込むのもよいでしょう。とくに、手先を使う作業は前頭葉の血流量を増加させ、脳を活性化させる効果が期待できます。

たとえば、料理は材料を切ったり味付けを考えたりと、思考力や判断力を必要とするため、脳のトレーニングに最適です。絵を描いたり、楽器を演奏したりするのもよいでしょう。継続的に取り組むためにも、自分が楽しめる趣味を見つけることが大切です。

他人との会話やコミュニケーションで交流する

人との交流も脳を活性化させる重要な要素です。会話やコミュニケーションを通じて、新しい情報や異なる視点に触れることは、脳にとってよい刺激となります。とくに、ディスカッションやディベートのような意見交換の場では、思考力や判断力が鍛えられるでしょう。

また、人と会うことや対面での交流は、前頭前野の萎縮を抑制する効果があるといわれています。友人や家族との会話を大切にし、積極的にコミュニケーションを取りましょう。

質のよい睡眠を十分にとる

質のよい睡眠は、脳の回復と活性化に不可欠です。とくに、ノンレム睡眠とよばれる深い眠りは、大脳を休息させるために重要な役割を果たします。実際に、質の悪い睡眠と脳萎縮が深く関係していることを示す研究結果も報告されています。

脳の機能維持、パフォーマンス向上のためにも、十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムの維持を心がけましょう。

新しいことに挑戦する

新しいチャレンジは、脳にとって非常に刺激的です。新たなスキルを習得する、行ったことがない場所を訪れる、新しい人々と出会うなど、未知の経験は脳の神経ネットワークを活性化させます。

日常生活の中で小さな挑戦を積み重ねれば、脳を常に活性化させ続けられるかもしれません。新しい趣味を始めてみる、何かを覚えようとするといった積極的な姿勢が、脳を鍛える第一歩となります。

脳を活性化する食事

毎日の食生活を見直すだけでも、脳のコンディションは大きく変わります。ここでは、具体的にどのような食事が脳によいのか見ていきましょう。

脳を活性化する食事イメージ

DHA・EPAで脳力を向上

脳の活性化によいとされている代表的な栄養素がDHAとEPAです。それぞれ、脳の神経細胞の機能維持と情報伝達の円滑化に重要な役割を果たします。

DHAやEPAは体内で生成できないため、食事で摂取しなければなりません。イワシやサバなどの青魚、海藻といったDHA・EPAを多く含む食品を定期的に摂取することで、記憶力や認知機能の向上が期待できます。

具体的な食品
  • サバ、サンマ、イワシなどの青魚
  • マグロ、カツオなどの赤身魚
  • DHAを強化した卵や乳製品

ビタミンB群で神経伝達物質をサポート

ビタミンB群は、脳内の神経伝達物質の生成と代謝に欠かせない栄養素です。とくにビタミンB1、B6、B12は、脳のエネルギー代謝を促進し、集中力や記憶力の維持に重要な役割を果たします。ビタミンB群は全粒穀物、豆類、緑黄色野菜などに含まれており、バランスの取れた食事を心がけることで摂取できます。

具体的な食品
  • 豚肉、レバー、うなぎ
  • 大豆製品(納豆、豆腐、枝豆)
  • 玄米、雑穀、全粒粉パン

抗酸化作用で神経細胞の劣化を予防

抗酸化物質は、脳細胞の酸化ストレスを軽減し、神経細胞の早期劣化を防ぐ効果が見込めます。とくにサケやエビなどの赤い海産物に多く含まれるアスタキサンチンは、脳の老化を抑え、脳疾患の予防にも役立つとされています。ほかにもポリフェノールを含むブルーベリーやラズベリー、ビタミンを多く含む緑黄色野菜、ナッツ類などが効果的です。

具体的な食品
  • ブルーベリー、ラズベリー、いちご
  • ほうれん草、ブロッコリー、パプリカ
  • くるみ、アーモンド、カシューナッツ

認知症予防のための食べ物について詳しくはこちら

高齢者でも脳トレや脳の活性化は有効?

歳をとっても、脳を活性化させることは十分に可能です。加齢に伴って身体だけでなく脳の認知機能も衰えていきますが、脳トレーニングや脳の活性化を図ることで、この衰えを緩和できる可能性があります。簡単な脳トレでも、脳の実行機能や処理速度など日常生活に密接に関わる認知機能の向上につながるという研究もあります。

参考:野内類 川島隆太「脳トレゲームは認知機能を向上させることができるのか?

認知症を予防するゲームについて詳しくはこちら

脳トレと認知症予防の関係性について

継続的な脳トレーニングが、認知機能の向上と認知症予防に効果があるとする研究結果は多数報告されています。パズルや計算などの知的活動は脳に刺激を与え、神経細胞のつながりを強化し、新しい神経回路の形成を促進します。効果に個人差はありますが、一過性の取り組みではなく、継続することが重要です。

脳の活性化は若いときから取り組むとより効果的

脳の活性化は年齢に関係なく効果がありますが、若いうちから継続的に取り組むことでより大きな効果が期待できます。脳の老化は50歳頃から始まるといわれているため、30代〜40代からの脳トレーニングが重要です。若いうちから積極的に新しいことにチャレンジして脳を刺激することで、加齢による認知機能の低下抑制、認知症の予防につながります。

認知症は何歳からなる?
若年性認知症の基本と5つの予防策について詳しくはこちら

脳活性化におけるデジタルデトックスの重要性

現代社会では、デジタル機器の過度な使用が脳の疲労を引き起こす大きな要因となっています。そこで重要となるのが、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器から一定期間距離を置くデジタルデトックスです。

デジタル機器が脳に与える影響

スマートフォンの長時間使用は、とくに脳の前頭葉に過度の負荷をかけ、疲労を蓄積させます。一日中使用していると脳が休まらず、疲労を回復できません。その結果、集中力や記憶力の低下、感情コントロールが難しくなるといった問題を引き起こす可能性があります。また、ブルーライトの影響で睡眠の質も低下し、脳の健康にも悪影響です。

オフライン活動の重要性

脳のストレス負荷を抑えるためには、デジタル機器から離れ、現実世界でのコミュニケーションや自然と触れ合う時間をつくることが重要です。とくに自然環境での活動は、血圧や心拍数の改善、ストレスホルモンの抑制につながるとされています。オフラインでの体験を意識的に取り入れ、心身のリフレッシュに努めましょう。

効果的なデジタルデトックスの方法

デジタルデトックスを実践するには、まず使用時間を意識的に制限することが重要です。以下のような工夫で、スマートフォンの使用頻度を自然と減らせます。

画面を白黒表示にする 通知をオフにする 充電中は操作をロックする 暗証番号を設定する

また、スクリーンタイム機能で使用時間を可視化するのも効果的です。

脳活性化におけるデジタルデトックスの重要性イメージ

脳の健康維持は、日々の継続的な
取り組みが重要

脳を活性化させるために、日常生活で取り組めることは多くあります。運動や趣味、人とのコミュニケーションなどを通じて脳に刺激を与えることに加え、食生活も見直してみましょう。また、適度なデジタルデトックスで脳に休息を与えることも大切です。日々の小さな努力の積み重ねが、認知機能の維持・向上や認知症の予防につながります。

認知機能の維持・向上は日々研究が行われています。最新研究から、日々の認知機能の低下を防ぐためのヒントが得られるかもしれません。脳の健康維持のためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。

関連コラム

Close 認知機能改善についてのガンマ波最新研究はこちら