04認知症コラム
テレビが認知症に与える影響は?
認知症予防のための視聴方法の工夫についても紹介
2025.08.29

認知症とテレビは、実は密接な関係にあります。長時間の受け身な視聴はリスクを高める一方、視聴の仕方によっては進行を遅らせる、予防につながるなどの効果も期待できます。本記事では、テレビが認知症に与える影響、認知症予防のための視聴方法の工夫をご紹介します。ぜひお役立てください。
なぜテレビ視聴は認知症に悪影響を
与えるといわれているのか
テレビ視聴による認知症への悪影響は実際に懸念されています。視聴中は基本的に受け身の状態となり、脳を積極的に使う機会が減るためです。また、長時間座ったままでいると運動不足になり、脳への血流も低下しやすくなります。これらが重なることで、認知機能の低下や認知症リスクの上昇につながると考えられています。
ただし、番組の内容や視聴方法を工夫すれば、認知症の進行を遅らせたり予防したりすることは可能です。 認知症の概要については、下記リンクもご参照ください。

認知症の方がテレビを視聴するメリット
悪影響があるといっても、認知症の方はテレビを見てはいけないというわけではありません。まずは適切な視聴によって得られる効果や、日常生活への良い影響についてみていきましょう。
時間を抑えれば脳が活性化する
テレビの視聴時間を適度に抑えれば、むしろ脳が刺激され、認知機能の活性化につながります。認知症の進行を遅らせたり予防したりするためには、日々の出来事に関心を持ち続けることも重要です。とくにニュースや天気予報などの情報番組は、時間や季節の感覚を保つのに役立ちます。ただ視聴するのではなく、内容や時間を意識して楽しむことが大切です。
リラックス効果がある
テレビ視聴は、心身をリラックスさせる効果もあります。日常のストレスや不安を和らげる内容であれば、ストレスの軽減にも効果的です。たとえば、自然の映像や音楽番組などがよいでしょう。また、バラエティやコメディなど、笑いを誘う番組なら気分も明るくなるためおすすめです。精神的な安定は、認知症にとって良い影響を与えます。
社会とのつながりが生まれる
ニュースや時事番組を視聴すれば、社会の動向や最新の話題に触れられるため、世の中とのつながりを感じやすくなります。また、家族や友人と一緒に視聴するのも効果的です。自然と会話が生まれ、日常のコミュニケーションが活発になります。こうした交流は、孤立感の予防や心の安定にもつながるでしょう。
認知症の方がテレビを視聴するデメリット
テレビ視聴にはメリットもありますが、視聴の仕方によっては認知症の進行や健康に悪影響を及ぼすこともあります。ここでは、主なデメリットについて解説します。
脳が受け身になる
長時間テレビを見続けると、脳は情報を一方的に受け取るだけの受動的な状態になります。考えたり判断したりする機会が減ることは、認知症にとって悪影響を及ぼす大きな一因です。受動的な状態が続くと記憶力や思考力、判断力の低下など認知機能の衰えにつながるため、テレビの視聴時間には十分注意しましょう。
運動不足になる
運動不足も、認知症に悪影響を及ぼす要因の一つです。長時間のテレビ視聴では、座りっぱなしの状態が続くため、血流が悪くなります。血流が滞ると脳への酸素や栄養が不足するため、認知症の進行リスクを高めることにつながります。時間を抑えることも大切ですが、適度な運動を取り入れる工夫も必要です。
混乱や興奮を引き起こす可能性がある
認知症の方は、場合によってはテレビの内容を現実と混同してしまうことがあります。とくに刺激が強いニュースやアクション映画などには注意が必要です。不安や混乱、興奮を招くおそれのある内容はさけるべきでしょう。番組選びや視聴環境に配慮し、安心して過ごせる工夫を施すことが重要です。
認知症予防のためのテレビの視聴方法の工夫
テレビは視聴の仕方次第で認知症予防にも役立ちます。ただ受け身で視聴するのではなく、脳や体を積極的に働かせる工夫を取り入れることが大切です。
回想やコミュニケーションが活用できるようにする
昔の映画や音楽番組を視聴することで、過去の記憶を呼び起こすことができます。過去を回想することは、脳の活性化にも非常に有効です。また、家族や友人とともに視聴することで思い出話ができ、コミュニケーションにも役立ちます。懐かしい記憶がよみがえることで脳は活性化し、記憶の定着にもつながるでしょう。
知的な刺激を与えるテレビ番組を選ぶ
クイズ番組やドキュメンタリーなどを視聴すれば、自然と答えを考えて内容を理解しようとするため、記憶力や思考力が刺激されます。とくに歴史や科学など知的好奇心をくすぐる番組には、脳のさまざまな領域を活性化させる要素が豊富です。家族や友人と一緒に視聴すれば会話も生まれ、脳への良い刺激となるでしょう。

適度な運動と組み合わせる視聴習慣をつける
テレビを見ながら、軽いストレッチや体操などの適度な運動を行うのも効果的です。座りっぱなしによる運動不足を防ぐために、番組の合間に散歩や簡単な運動を取り入れてみましょう。テレビ視聴の時間を決めて定期的に外へ出たり、視聴中に「ながら運動」を取り入れたりするなど、無理なく継続できる工夫が必要です。
認知機能の向上に役立つTVゲームをする
TVゲームは、記憶力や注意力、判断力などの認知機能に良い影響を与えるといわれています。実際に、TVゲームが認知症予防に効果があると結論づけている研究も複数存在します。ただし、長時間のプレイは逆効果になる場合もあるため、1日1時間程度に留め、家族と一緒に楽しむなど工夫しながら取り入れるのがおすすめです。
視聴時間や番組の管理をする
テレビの視聴時間は1日1〜2時間程度に制限し、長時間にわたる受動的な視聴は避けることが大切です。アクション映画や刺激の強いニュース番組などは控えめにし、穏やかな内容の番組を選ぶことで、精神的な安定や安心感を保ちやすくなります。脳や心への負担を減らすためにも、視聴時間や番組内容を意識的に管理しましょう。
認知症とテレビに関するよくある質問
テレビ視聴と認知症の関係について疑問や不安を抱えている方は多いです。ここでは、よくよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Qテレビばかり見ていると認知症になりますか?
長時間テレビを見続ける生活は、認知症リスクを高める可能性が高いとされています。テレビ視聴では受動的な情報処理が中心となるため、脳の前頭前野の働きが抑制されやすくなります。また、座りっぱなしによる運動不足も、認知症の発症リスクを高める要因の一つです。
Qテレビに向かって喋るようになるのは認知症の兆候ですか?
テレビに話しかける行動自体は、必ずしも認知症の兆候とは限りません。しかし、内容を現実と混同したり、独り言や会話が増えたりする場合は、認知症の初期症状の可能性があります。とくに、現実とテレビの区別がつかなくなったり、日常会話でも混乱が見られたりする場合は、医療機関への相談をおすすめします。
Qテレビを大音量で見ることは認知症と関係がありますか?
テレビを大音量で見ること自体が直接認知症を引き起こすわけではありません。しかし、間接的には認知症のリスクにつながるおそれがあるため注意が必要です。
大音量でテレビを見る背景には、加齢による聴力低下があります。聴力の低下が進むことで、周囲とのコミュニケーションがうまくいかない、脳への刺激が減るなどの影響が出ます。このため、結果的に認知症のリスクを高める可能性があるといえるでしょう。
音量の変化に本人が気づかない、あるいは家族の指摘に反応しない場合は、専門医に相談しましょう。
認知症予防にはテレビ視聴の意識的な工夫を
長時間のテレビ視聴は、脳が受け身になりやすく、また運動不足にもなりやすいため、認知症リスクを高めることが指摘されています。一方で、見た内容について家族と会話したり、適度な運動を組み合わせたりすれば、認知症予防に役立つ存在となることも事実です。テレビとの付き合い方を意識的に見直し、心身の健康維持と認知機能の低下防止につなげましょう。
テレビ視聴の工夫や認知症予防についてさらに関心がある方は、先端技術を活用した最新の研究を参考にしてみてはいかがでしょうか。「認知機能ケアプロジェクト」では、40Hzガンマ波刺激を活用した認知症ケアの最新研究をはじめ、認知症予防に関する情報を幅広くお届けしています。ぜひチェックしてみてください。