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04認知症コラム

認知症予防の方法を紹介!ゲームや食事の見直しに効果はある?

2025.11.28

認知症の予防イメージ

年齢を重ねると認知症のリスクは高くなります。できることなら認知症を予防したいという方も多いのではないでしょうか。この記事では、認知症予防の方法を具体的に紹介します。
また、よく耳にする認知トレーニングは実際どうなのかについても触れていきます。

そもそも認知症とは?

認知症予防を考えるうえで、まずは認知症とはなにか、どのような状態を指すのか考えてみましょう。
認知症の定義とは、以下のようなものです。

そもそも認知症とは?イメージ

認知症の定義

認知症は、脳の病気や障害によって記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。主に高齢者にみられますが、65歳未満で発症した場合には「若年性認知症」と呼ばれます。

介護保険法によると認知症の定義は幅広く、アルツハイマー病や、その他の神経変性疾患、脳血管疾患によるものはもちろん、その他の疾患によるものも含められています。また、認知症は記憶機能の低下だけを指すものではありません。より広範囲な認知機能の低下も含まれています。

出典:政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本

認知症について詳しくはこちら

認知症の種類

主な認知症の種類は「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「血管性認知症」「前頭側頭型認知症」の4つです。

アルツハイマー型認知症 記憶障害を中心に、ゆっくり進行する最も一般的な認知症
レビー小体型認知症 幻視やパーキンソン症状を伴いやすい、変動性のある認知症
脳血管性認知症 脳梗塞などの血管障害によって起こる、症状にばらつきのある認知症
前頭側頭型認知症 人格や行動の変化が目立つ、前頭葉・側頭葉の萎縮による認知症
アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、脳に「アミロイドβ」というタンパク質が蓄積することで神経細胞が破壊され発症する認知症で、生活習慣病との関連も示唆されています。

徐々に脳が萎縮し、物忘れなどから始まり、時間や場所の感覚が失われたり、状況に合わせた判断が難しくなったりするなど、症状がゆっくりと進行していくのが特徴です。

アルツハイマー型認知症について詳しくはこちら

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、特殊なタンパク質「レビー小体」が神経細胞に増加し発症する認知症です。幻視や、手足のこわばりや動きにくさなどのパーキンソン症状、睡眠時の異常行動などの症状に特徴がみられます。

認知症患者全体の20%を占め、男性に多い傾向があることが分かっています。進行が早いため、早期の診断と治療開始が重要です。

レビー小体型認知症について詳しくはこちら

脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で、脳の神経細胞が障害されて発症する認知症です。脳が障害されている部位によって、認知機能の低下にムラがあるため「まだら認知症」とも呼ばれることがあります。

生活習慣病と関連があることが分かっており、なかでも高血圧は特に深く関わっていることから、注意すべきリスク要因とされています。

脳血管性認知症について詳しくはこちら

まだら認知症について詳しくはこちら

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、前頭葉と側頭葉が萎縮して発症する認知症です。原因ははっきりとは解明されていませんが、特定のタンパク質が脳内に異常蓄積し、神経細胞の変性や脱落が起こることと考えられています。

感情の抑制がきかなくなったり、社会のルールを守れず自分本位な行動が目立ったりすることが特徴です。前頭側頭型認知症は比較的若い年齢で発症しやすい傾向があり、ほとんどの場合70歳までに発症します。

前頭側頭型認知症について詳しくはこちら

「認知症予防」の3段階

一次予防 活動的な状態にある高齢者を対象に、認知機能を含む生活機能の維持・向上 に向けた取組を行うものであるが、とりわけ、高齢者の精神・身体・社会の各相における活動性を維持・向上させることが重要
二次予防 軽度認知障害・初期の認知症の高齢者を早期発見し、早期に対応することにより状態を改善し、要支援・要介護状態となることを遅らせる
三次予防 認知症の診断を受けている高齢者を対象に、要介護状態の改善や重度化を予防する

出典:厚生労働省「自治体における認知症の「予防」に資する取組事例集

予防には一次予防、二次予防、三次予防の3段階があります。上記の表は、厚生労働省の「介護予防マニュアル改訂版」に記載されている介護予防の考えを認知症予防に置き換えたものです。

「要介護」とは、日常生活動作において常時介護を必要とする状態のことです。「要支援」とは、現在介護の必要がないものの、将来要介護状態に移行するおそれがあり、支援が必要な状態のこと、と介護保険法で定義されています。

つまり、上記の表を分かりやすく整理すると、一次予防は「発症遅延、発症リスク低減」、二次予防は「早期発見・早期対応」、三次予防は「重度化予防、機能維持、行動・心理症状の予防・対応」といえます。

認知症予防の6つの方法

基本的な認知症予防の方法を紹介します。ただし、前述したように進行段階に合わせた予防が重要なため、医師に相談しつつ進めましょう。

また、よくある認知トレーニングは「認知機能低下および認知症のリスク低減 WHOガイドライン」によると、エビデンス(裏付け)が弱く、軽度認知障害の成人に対してわずかに効果があったのみです。認知症予防はメディアでいろいろな方法が取り上げられていますが、医学的に効果が証明されていないものもあるため慎重に検討しましょう。

「認知症予防」の方法イメージ

運動不足の改善

運動不足の改善は、成人において認知機能の低下リスクを低減するのに効果的です。また、軽度認知障害の場合にも効果が期待できます。軽度認知障害とは、認知症のハイリスクグループのことを指し、認知症の一歩手前の段階をいいます。

無理なく効果的に運動を取り入れるには、週2・3回、30分程度のウォーキングがおすすめです。さらに効果を大きくするために少しずつ運動強度を上げるのがよいでしょう。

食事の見直し

食事を見直すことによって認知症のリスクを減らすことは可能だといわれています。認知症の危険因子である生活習慣病を予防するためにも、食事の見直しは重要です。

必要な栄養をしっかりと摂取することが大切で、とくに野菜、果物、魚をバランスよく食べるのがおすすめです。地中海食や、バランスが良い日本食も認知症予防の観点から見ると、理にかなった食事といえるでしょう。

認知症予防のための食べ物について詳しくはこちら

認知症予防によい食品の例

青魚 緑黄色野菜、果物 コーヒー 緑茶 カレー 大豆製品 オリーブオイル

出典:厚生労働省「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック

生活習慣病の予防

糖尿病や高血圧症、高脂血症などのメタボリックシンドローム、およびそれらが関与して発症する生活習慣病を予防することは、認知症の予防につながります。生活習慣病のリスクを低減するため甘いもの(糖質)の取り過ぎや食べすぎを控えましょう。また、タバコやお酒も控えることが望ましいです。

生活習慣病の予防法の例

週2~3回以上、30分以上の運動をする 特に間食を食べ過ぎないようにする タバコ・酒を控える 歯周病や虫歯を予防する 睡眠を十分にとり、規則正しい生活を心がける

出典:厚生労働省健康づくりサポートネット「休養・こころの健康

社会参加

フィットネスクラブや習い事教室、支援センターなどで高齢者を対象にしたプログラムに参加するなどの社会参加は、特に脳を活性化する効果が期待できます。興味がある内容のもので、通いやすい身近な場所にあるものに参加するのがよいでしょう。高齢になると退職することが多いため、自主的に外に出なければ他者と触れ合う機会が減りがちです。積極的な社会参加は、社会的孤立の解消や役割の保持にも役立つでしょう。

社会参加の場の例

公園 市民農園 地域のスポーツ教室 公民館

出典:厚生労働省「認知症施策推進大綱について

脳トレやゲーム

テレビゲームは指を動かしながら思考したり、目で映像の変化を追ったりするため、脳が刺激され認知症予防につながるとされています。囲碁や将棋は対戦相手の手や勝負の展開を考える必要があるため、記憶力や思考力を高めるのに役立ちます。

文字を書いたり計算したりするなど、思考力や判断力が高められる脳トレも効果的です。
その他にも、楽器の演奏は指先を動かしたり息を吹き込んだりするため、脳の刺激に良いと考えられています。

認知症予防によい脳トレやゲームの例

パズルゲーム テレビゲーム 囲碁 将棋 ボードゲーム クイズ

認知症予防のための脳トレについて詳しくはこちら

認知症予防のためのゲームについて詳しくはこちら

医師や栄養管理士などへの健康相談・検診・健診

かかりつけ医や保健師、管理栄養士など、専門職への健康相談も認知症の予防には大切なことです。専門職に相談することで、認知症が発症するのを遅らせたり、発症した場合でも早期発見や早期対応につながったりします。

また、定期的な健診・検診も重要です。「健診」とは健康診断のことで、体の健康状態を確認する検査のこと、「検診」は特定の病気にかかっているかどうか調べる検査のことを指しています。

年代別認知症予防のポイント

認知症予防の方法は、各年代によって異なっています。以下のような年代に分けて、詳しくみてみましょう。

20代~30代

20代・30代では、動脈硬化対策を意識して適度な運動をしたり、バランスの良い食事を摂ったりして、規則正しい生活を意識することが大切です。多少は不摂生をしても無理がきく年代ではありますが、若い段階から不規則な生活を送ると将来的な認知症のリスクが高まります。また、普段から考えることを習慣づけておくことも大切なポイントです。

40代~50代

40代・50代では、20代・30代で記載したような生活習慣を心がけるとともに、脳血管への負担が大きい動脈硬化や高血圧に注意していきましょう。とくに、塩分の過剰摂取や喫煙、飲酒など生活習慣病のリスクを高める食事や習慣は控えるように気を付けましょう。

また、この年代では定期的に検診を受けるなどして、健康状態を把握することも大切になってきます。

60代以降

60代以降では、年齢的に認知症リスクが高くなってきます。そのため、ここまでで紹介してきた注意点に加え、なるべくリスクを抑えるよう心がけることが重要です。たとえば、禁煙や運動は60代から始めても認知症予防の観点から見ると、決して遅くはありません。

認知症の初期症状で見られるような症状が出てきた時や、何か普段と違って不安なことがある時には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

年代別認知症予防のポイントイメージ

認知症の予防に関するよくある質問

以下に、認知症の予防に関して、よく寄せられる質問とその回答を集めています。認知症予防に取り組んでみたいとお考えの方は、ぜひご覧ください。

飲酒や喫煙は認知症を引き起こす原因になりますか? 認知症の予防はいつからはじめるべきですか? 認知症予防のための薬はありますか?

Q飲酒や喫煙は認知症を引き起こす原因になりますか?

適量の飲酒であれば、全く飲まない方、大量に飲酒される方より、認知症になりにくいとの報告があります。ただし、アルコールが飲めない方や苦手な方の摂取は推奨されていません。

また、アルコールの過剰摂取はかえって認知症のリスクが高まることも分かっています。
喫煙は認知症を引き起こす要因になるため、やめましょう。

アルコール性認知症について詳しくはこちら

Q認知症の予防はいつからはじめるべきですか?

研究では45~49歳の中年期から認知機能の低下が始まると報告されており、脳の病理変化はすでに中年期から始まっていることが分かっています。主な生活習慣病には、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満・脳卒中などがありますが、40代で生活習慣病を持っている人は、その時点で認知症になりやすいとされています。

認知症の症状が出てからや、生活習慣病が指摘されてからでは遅いので、早いタイミングから予防をはじめるべきといえるでしょう。

認知症は何歳からなる?若年性認知症について詳しくはこちら

Q認知症予防のための薬はありますか?

現在の医療では、すでに認知症と診断された方を対象として、症状の進行を遅らせる薬は存在しています。しかし残念ながら、認知症予防のための薬というものは存在していません。

認知症を予防したい場合は、ここまでで紹介してきたような方法で認知症の危険因子であることが分かっている、生活習慣病の予防につとめるのがおすすめです。生活習慣病は生活習慣を整えることで予防できます。

認知症の進行を遅らせる薬について詳しくはこちら

認知症予防には健康的な生活習慣と
社会参加を取り入れましょう

上述のポイントを踏まえ、生活習慣の改善で認知症になるリスクを低減したり、進行を遅らせたりすることが期待できます。特に高齢になっても社会参加の機会を持ち続けることは脳の活性化につながり、認知症予防の目的だけにとどまらず、生きがいづくりにもなります。いきいきとしたシニアライフを送るためにも、まずは一歩、外に出かけてみてはいかがでしょうか。

認知症や認知症予防に関する研究は、日々進んでいます。「ガンマ波テクノロジー 認知機能ケアプロジェクト」では、認知機能改善についてガンマ波の最新研究をご紹介しています。私たちの脳から発生している「ガンマ波」について、国内の取り組みや海外の研究についても掲載していますので、ぜひ最新の研究内容をご覧ください。

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