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04認知症コラム

スマホ認知症とは?チェックリストや
スマホとの上手な付き合い方を紹介

2025.08.29

スマホ認知症とは?チェックリストやスマホとの上手な付き合い方を紹介イメージ

スマホ認知症とは、スマートフォンの過度な使用によって脳機能が低下し、記憶力や集中力が衰える現象です。本記事では、スマホ認知症の原因や症状を解説します。加えて、予防法やスマホとの上手な付き合い方、スマホ認知症のチェックリストについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

スマホ認知症とは?

スマホ認知症とは、スマートフォンを長時間使用することで、脳が情報を処理しきれず、記憶力や集中力の低下、物忘れなど、認知症に似た症状が現れる状態です。20代・30代の若年層にも増えてきており、誰にでも起こりうる現代社会特有の課題として懸念されています。

「スマホ認知症」という言葉は医学的に認められた正式な病名ではなく、診断基準や治療法が確立されていません。そのため、スマートフォンを長時間使うことが多い人は、自分自身で注意し、予防や対策をしていく必要があります。

スマホ認知症とは?イメージ

認知症との違い

いわゆる「認知症」と「スマホ認知症」は、物忘れや集中力の低下といった非常によく似た症状が現れますが、原因と症状の持続性が異なります。

認知症はおもに加齢や脳の病気などによって神経細胞が損傷し、認知機能が徐々に低下していく進行性の疾患です。一方、スマホ認知症はスマートフォンの使い過ぎによる脳疲労が原因で、一時的に認知機能が低下する状態を指します。

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スマホ認知症の危険性

スマホ認知症は、認知症と同様に記憶力や集中力の低下が顕著になると、仕事や家事など日常生活に支障をきたす恐れがあります。スマホを使用する若者に多いということもあり、違和感を覚えたとしても「まさか認知症だとは思わない」ケースが多く、見過ごされがちです。

しかし、そのまま放置すると、若年性認知症など本格的な認知症のリスクが高まる可能性も指摘されています。そもそも、スマホの長時間使用は目や脳に大きな負担をかけ、ブルーライトの影響で睡眠障害を引き起こすこともあるため注意が必要です。

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スマホ認知症のチェックリスト

これらの項目に5~6個当てはまる場合、スマホ認知症のリスクが高まっている可能性があります。スマートフォンの長時間利用は、記憶力や集中力の低下、日常生活への支障、睡眠障害など多くの悪影響を及ぼします。自分の生活習慣を見直し、必要に応じてスマホの使い方を調整することが大切です。

人や物の名前がすぐに出てこない
何かを取りに来て目的を忘れることがある
約束を忘れてしまう
3日前に何をしていたか思い出せない
最近になって漢字が書けなくなった
簡単な計算を間違えることが増えた
トイレや寝る前にもスマホを使う
スマホの通知音や振動を空耳で感じる
スマホを使う時間が1日2時間以上ある
スマホで検索すればわかることは覚えない
スマホに頼って道や予定を覚えられない
睡眠不足が続いている
仕事や家事の段取りが悪くなった

スマホ認知症につながる3つの原因

スマートフォンが日常生活に欠かせない存在となった今、過度な依存が知らず知らずのうちに私たちの脳や心に負担をかけているかもしれません。ここでは、なぜスマホ認知症が起こるのか、その原因・背景をみていきましょう。

情報を
取り入れすぎている
ブルーライトを
浴びすぎている
人と直接コミュニケーションを取る機会が減る

情報を取り入れすぎている

脳が過剰な情報処理を強いられていることが、スマホ認知症を引き起こす大きな原因の一つです。

現代社会では、スマートフォンを通じて膨大な情報が手軽に入手できるようになり、ニュースやSNS、動画など、私たちの脳は日々大量の情報を処理し続けています。何気なく見ているようでも実際は、脳は絶えず情報を整理し続けるのです。結果としてインプット過多によりアウトプットが追いつかなくなり、認知機能や集中力が低下してしまいます。

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ブルーライトを浴びすぎている

スマートフォンの画面から発せられるブルーライトも、スマホ認知症のリスクを高める大きな要因の一つです。ブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、私たちの体内時計に大きな影響を及ぼすことが知られています。

そのため、夜間や就寝前にスマホを使い続けると睡眠の質が低下し、脳の休息が妨げられてしまうのです。結果として脳の疲れが取れず、認知機能の低下や集中力の減退を招くリスクが高まります。

人と直接コミュニケーションを取る機会が減る

人と直接会って会話する機会が減ると、脳への刺激が不足し、スマホ認知症のリスクが高まります。

対人コミュニケーションで得られる表情や声のトーン、身振り手振りといった非言語的な情報は、脳を活性化させる重要な役割を担っています。こうした直接的なコミュニケーションの機会が減ると、脳への刺激が不足しやすくなり、結果として認知機能の低下につながる可能性があるのです。

スマホの普及によって、メールやSNSなどデジタル上でのやり取りが主流となった現代では、直接人と会って会話をする機会が減少しており、その影響が懸念されています。

スマホ認知症の主な症状
-低下してしまう6つの力

スマホ認知症では、日常生活に欠かせないさまざまな能力が低下しやすくなります。ここでは特に影響を受けやすい6つの力について、具体的な症状とともに解説します。

記憶力 集中力・気力 思考力 コミュニケーション能力 自制力 免疫力

スマホ認知症の主な症状-低下してしまう6つの力イメージ

記憶力

スマホ認知症の代表的な症状のひとつが記憶力の低下です。新しい情報を覚える力が衰え、約束の時間を忘れたり、重要な情報を思い出せなかったりするなど、物忘れが頻繁に起こるようになります。また、過去の出来事を思い出す力も弱まり、長期記憶に影響が及ぶ可能性もあります。

集中力・気力

集中力や気力の低下もスマホ認知症の大きな特徴の一つです。

スマートフォンの強い刺激に脳が慣れてしまうと、読書や会話、勉強といったほかの活動が相対的に物足りなく感じられ、興味や集中力が持続しにくくなります。スマホの通知や新しい情報が「すぐに報酬を得られる刺激」として脳に快感を与える一方で、ほかの活動は達成感や満足感を得るまでに時間がかかるためです。

また、モチベーションの低下も見られ、やる気が起きなくなって日常生活の質が下がる可能性も懸念されます。

思考力

スマホ認知症になると思考力が低下し、簡単な作業でも手間取ることが増えてきます。計画的に物事を進めることが難しくなり、効率よく仕事や家事をこなすことができなくなるため、日常生活にも支障を感じやすくなります。

また、脳が新しい刺激に対して鈍感になり、ひらめきやアイデアが生まれにくくなるのも特徴です。こうした思考力の低下は、創造的な活動や問題解決力の減退にもつながります。

コミュニケーション能力

スマホ認知症が進行すると、言語能力が衰え、思っていることや考えをうまく言葉で伝えられなくなることがあります。その結果、対人関係にひびが入りやすくなり、誤解やトラブルが増える可能性も高まります。

また、表情やジェスチャーなどの非言語的なコミュニケーションも苦手になりがちです。こうした変化は、家族や職場、友人との関係にも影響を及ぼし、社会生活全体の質を低下させるでしょう。

自制力

スマートフォンからの強い刺激に脳が慣れてしまうと、感情のコントロールやストレスへの耐性を担っている前頭前野の働きが低下しやすくなります。そのため、日常のささいな出来事にも過敏に反応しやすくなり、イライラや怒りっぽくなることが増える傾向があります。

また、スマホが手元にないと不安を感じ、つい触ってしまうという衝動が抑えられなくなるケースも多いです。

免疫力

スマートフォンの長時間使用は睡眠の質を低下させることにつながります。十分な睡眠が取れなくなると、体の免疫力も下がり、風邪や感染症などさまざまな疾患への抵抗力を弱める原因となります。睡眠障害は、脳の機能低下だけでなく、健康全般にも深刻な影響を与えるため、日常的な体調管理や健康維持の観点からも注意が必要です。

スマホ認知症の予防法

スマホ認知症を防ぐには、日常生活の中で意識的に脳への負担を減らす工夫が重要です。無理なく続けられる予防法を取り入れ、脳と心の健康を守りましょう。

何も考えない時間をつくる

スマホを使っていると、気づかないうちに大量の情報が脳に流れ込んできます。そのため、あえて何も考えずにぼんやりと過ごす時間をつくり、脳を休ませることが大切です。日中に短い休憩を取り入れ、目を閉じて静かに過ごす時間を作るだけでも、脳にしっかりとした休息を与えられます。

良質で十分な睡眠を取る

質の良い睡眠を確保することは、脳の休息と回復にとって非常に重要です。寝る前にスマホの光を浴びてしまうと、睡眠を促進するホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、睡眠の質が低下しやすくなります。就寝前はスマホから離れ、静かな環境で十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。

人と直接コミュニケーションを取る機会を増やす

人と直接会って会話をすることは、脳を活性化させるだけでなく、社会性を高める効果も期待できます。

たとえば、友人や家族との食事会やイベントなどに積極的に参加すれば、自ずとコミュニケーションの機会は増えるでしょう。ただし、集まりやイベントへの参加が苦手な場合は無理をする必要はありません。家族や親しい友人との短い会話や、日常のちょっとしたやり取りでも十分効果があります。

いずれにしても、こうしたリアルな交流を大切にすることが重要です。対面での会話を意識すると、より深い人間関係を築くことができ、心の健康の向上にもつながります。

いわゆる認知症の予防方法はこちら

スマホとの上手な付き合い方3選

スマートフォンは現代生活に欠かせないツールですが、使い方次第で心身に大きな影響を及ぼします。ここでは、スマホ認知症を防ぎながら快適にデジタルライフを楽しむための3つのポイントをご紹介します。

スマホの使用時間を管理する

具体的な利用状況を記録できるアプリなどを活用し、自分がどのくらいスマホを使っているかを正確に把握しスマホの使用時間を管理してみましょう。確認した結果、使用時間が長すぎると感じた場合は、時間を制限するなど自分なりにルールを設けることをおすすめします。

たとえば、夜9時以降はスマホを使わない、食事中はスマホを手元に置かないといった生活習慣を取り入れることで、スマホへの依存を防ぎやすくなります。

スマホの使用機会を減らす

「使わなくてもいいときは使わない」を意識し、スマホの使用機会を減らすことも大切です。何か気になったときにすぐスマホに手を伸ばさず、まずは自分で思い出そうとしたり、スマホ以外の方法で情報を調べてみたりしましょう。

また、読書やスポーツに打ち込む、友人と直接会って話す時間を増やすなど、スマホに頼らない趣味や活動を積極的に増やすことで、自然とスマホから距離を置くことができます。

デジタルデトックスをする

意識的に一定期間デジタルデバイスから離れる「デジタルデトックス」を実践するのも効果的です。たとえば、週末や休日にスマホを一切使わない日を設けることで、心身ともにリラックスできる時間を確保できます。

また、自然の中で過ごす時間を増やすことも、デジタルデトックスの一環として非常に有効です。こうした取り組みによって、日常的に蓄積されるストレスや疲労が緩和され、デジタル機器との付き合い方を見直すきっかけにもなります。

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スマホ認知症に関するよくある質問

スマホ認知症について、治療の可否や発症年齢、ほかの認知症との違いなど、疑問や不安を抱えている方は多いかもしれません。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

Qスマホ認知症は治りますか?

スマホ認知症は、生活習慣の見直しやスマホの利用時間を減らすことで、症状の改善が見込めるとされています。アルツハイマー型認知症などの進行性の認知症とは異なり、脳の機能低下が一時的である場合が多く、適切な対策を取れば回復するケースが多いです。

Qスマホ認知症は高齢者でなくとも発症しますか?

スマホ認知症は若年層から高齢者まで、年齢に関係なく発症するリスクがあります。スマートフォンの長時間利用によって脳への刺激が過剰になり、記憶力や集中力の低下といった認知症に似た症状が年齢に関係なく現れるためです。スマートフォンの利用が日常化している現代では、20代・30代といった若い世代も含め、全年齢層が注意すべきでしょう。

Qスマホ認知症と若年性認知症に関係はありますか?

スマホ認知症と若年性認知症は、原因や経過が異なる別のものですが、スマホ認知症の状態が長期間続くことで、若年性認知症のリスクが高まる可能性が指摘されています。そのため、スマホ認知症の症状が現れた場合は放置せず、早めに生活習慣を見直すことが大切です。

日常の意識改革でスマホ認知症を防ごう

スマホ認知症は現代社会において誰もが直面しうるリスクですが、スマホの使用時間を見直したり、寝る前の利用を控えたりすることで、脳の健康を守ることができます。

普段からスマホに頼りすぎず、情報のインプットとアウトプットのバランスを意識し、適度な休息や人との直接的なコミュニケーションを取り入れることが大切です。自身の生活習慣を少しずつ見直し、無理なく続けられる予防策を実践していきましょう。

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