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04認知症コラム

認知症サポーターとは?養成講座の内容や
できることも解説

2026.04.30

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認知症サポーターとは、認知症の正しい理解をもとに、地域で見守りや声かけを行う支援者のことです。資格は不要で、認知症サポーター養成講座を受講すると認定カード(交付物は主催者により異なる場合があります)が交付されます。本記事では、認知症サポーターが求められる背景や目的、養成講座の内容や受講方法、日常でできる具体的な活動をご紹介します。

認知症サポーターとは

「認知症サポーター養成講座」を受講し
認知症の方や家族に対しできる範囲で支援する人

認知症サポーターとは、認知症の方本人とその家族をサポートする地域の支援者のことです。たとえば、困っている様子に気づいた際に声かけや見守りを行う、家族へ相談先を案内するなど、可能な範囲で支援を行います。

特別なスキルや資格は不要で、「認知症サポーター養成講座」を受講しカードを受け取ることで認定されます。したがって、認知症への理解と少しの行動意欲さえあれば、どなたでも支援に参加することが可能です。

認知症について詳しくはこちら

認知症サポーターとは イメージ

認知症サポーターが求められる背景や目的

認知症サポーターは、認知症への誤解や偏見を減らし、本人と家族が地域で安心して暮らせるよう支えるために求められます。高齢化に伴い認知症の方は増加傾向にあり、早期発見・早期診断には周囲の理解と支えが欠かせません。一方で偏見や誤解により、本人や家族が尊厳を傷つけられ、孤立することもあります。

こうした課題を受け、厚生労働省は2015年に「新オレンジプラン」を示し、認知症への理解を広げる普及・啓発を進めています。その具体策の一つとして、地域や職場で見守りや声かけを行う“認知症サポーター”の養成が進められています。

認知症サポーター養成講座とは
-認知症サポーターになるために

認知症サポーターになるには、所定の養成講座を受講する必要があります。まずは制度の全体像を押さえ、自分に合った関わり方を考えてみましょう。

認知症サポーター養成講座の概要

認知症サポーター養成講座は、全国各地の自治体や企業で実施されており、開催日程や受講場所などの詳細は最寄りの自治体事務局で確認できます。自治体によってはオンライン開催に対応している場合もあるため、チェックしてみるとよいでしょう。

1度受講すれば「認知症サポーターカード」が交付され、認知症サポーターとして認定されます(運用は主催者により異なる場合があります)。

認知症サポーター養成講座の内容

認知症サポーター養成講座では、「キャラバン・メイト」と呼ばれる講師による90分の講義を受講します。認知症の症状や診断、治療、支援方法など認知症に関する総合的な内容に加え、認知症サポーターのあり方や活動内容について学びます。

テキストは当日無料配布され、受講費用も基本的にかかりません。オンラインの場合は事前に指定された方法で入手します。

テスト等の実施はなく、受講のみで認定を受けられます。

認知症サポーター養成講座を受ける方法

受講方法の詳細は、市区町村の広報誌やWebサイトで確認できるほか、全国キャラバン・メイト連絡協議会のWebサイトでも検索可能です。

年齢制限等の受講資格は原則設けられていませんが、主催する自治体・企業によっては対象者を限定している場合もあります。事前に募集要項を確認しておきましょう。

申し込み 最寄りの自治体の「高齢者相談支援係」等に電話
受講費用 無料
テキスト 当日無料配布

認知症サポーターとして日常でできる具体的な活動

認知症サポーターには、認知症への理解を深め、地域や職場で本人・家族をさりげなく支える役割が期待されています。ここからは、認知症サポーターとして日常で取り組みやすい具体的な活動を確認していきましょう。

身近な人の見守りと声かけ

認知症サポーターとしての第一歩は、まず身近な人の変化に気づくことです。

無理に介助しようとする必要はなく、さりげなく「見守る」姿勢で構いません。困っている様子があれば、家族や地域包括支援センターへ連絡します。これだけでも専門的支援につなげるという重要な役割を果たせます。

こうした日常的な関わりを通じて、誰もが一人で抱え込まない社会づくりに貢献するのが認知症サポーターの役割です。

地域での情報収集と連携

地域の介護支援センターや自治体、民生委員などと連携し、本人や家族がどのような支援を必要としているかといった情報を集めるのも認知症サポーターの役割の一つです。

徘徊や行方不明時の対応方法など、近隣住民との協力体制を地域で共有することで緊急時に助け合える環境を整えます。こうした地域全体で認知症の方を支えるネットワークづくりが、認知症サポーターの活動の核心といえるでしょう。

認知症理解の啓発活動

認知症を理解してもらい、認知症に対する誤解や偏見を減らすことも認知症サポーターの重要な役割です。

地域イベントや学校、職場などで正しい知識を伝えたり、SNSや地域広報誌を通じて当事者や家族の声を紹介したりすることで、身近な問題として考える機会を広げます。理解が広がれば、過度な恐れや距離感が薄れ、認知症の方が地域で安心して暮らし続けられる環境づくりにつながります。

認知症にやさしい環境づくり

認知症サポーターは、自治体や企業、商店街と連携し、認知症の人が安心して暮らせる環境づくりを推進する役割も担います。日常の活動を通じて理解者を増やし、地域や職場での配慮の必要性を共有することがその基盤となります。

認知症サポーターは直接制度を整備する立場ではありません。しかし、当事者や家族の声を周囲につなぐ存在として、相談体制の充実や働きやすい環境づくりを後押しすることにつながります。

認知症サポーターができる
具体的な活動事例

認知症サポーターになっても、まずは「日常で何をすればよいか」がイメージしづらいかもしれません。ここでは、実際の活動事例をもとに、地域や職場でできる具体的な関わり方を紹介します。

認知症サポーターができる具体的な活動事例 イメージ

活動事例1
支援の必要な高齢者の情報収集につなげる

京都府綾部市では、認知症サポーターが地域で接した高齢者とのエピソードを記入する「ハッピーカード」という取り組みを行っています。日常の気づきをカードにして提出してもらうことで、支援の必要な高齢者の情報を行政が早期に把握し、関係機関につなげる体制づくりに役立てています。

活動事例2
地域全体で支える網の目状の見守り体制を作る

熊本県菊池市では、銀行やコンビニ、薬局、新聞販売店、個人宅などに「大きなオレンジリング」を掲示し、認知症地域見守り協力者・協力店として登録する取り組みを進めています。認知症サポーターは、店舗への登録依頼や傾聴ボランティア活動、認知症カフェへの参加、サポーター講座の支援などを通じてネットワークを広げる役割を担っています。

活動事例3
自宅訪問と見守りで地域の支援力を高める

広島県尾道市では、認知症サポーターが「やすらぎ支援員」として認知症の方の自宅を月数回訪問し、話し相手や見守り、家族の相談を聞くという取り組みを行っています。また、地域の見守りネットワークへの登録・参加やオレンジカフェの運営支援など、多様な支援活動を行い、地域全体の支援力向上につなげています。

認知症サポーターに関するよくある質問

ここでは、認知症サポーターに関するよくある質問とその回答をまとめました。参考にしてください。

認知症サポーターになることのメリットは何ですか? 認知症サポーターに義務や会費はありますか? 認知症サポーターになるのに年齢制限はありますか?

Q認知症サポーターになることのメリットは何ですか?

主なメリットは、認知症の正しい知識が身につき、理解が深まるため、日常生活や地域のなかで適切な支援ができるようになることです。また、地域のネットワークに参加することでさまざまな情報を得られるため、自分自身の生活や判断にも役立ちます。

Q認知症サポーターに義務や会費はありますか?

義務や会費はありません。養成講座を受講して認知症サポーターになった後も、活動は任意です。まずは身近な場面での声かけや見守りなど、できることから始められます。

Q認知症サポーターになるのに年齢制限はありますか?

年齢制限はありません。認知症サポーター養成講座は、10代以下の学生から高齢者まで幅広い人が受講しています。ただし、主催する自治体や企業によっては対象者を限定している場合もあるため、事前に確認しましょう。

認知症サポーターの役割を理解して
地域を支えよう

認知症サポーターに特別な資格は必要なく、養成講座を受講すれば誰でも認定を受けられます。特段やらなければならない活動はなく、日常生活のなかでの声かけや見守り、家族や地域包括支援センターなどへの情報提供などが中心です。

しかし、こうした一人ひとりの小さな行動の積み重ねが、認知症の方と家族を支えることにつながります。認知症サポーターについて興味のある方は、自治体のWebサイトなどをチェックしてみましょう。

認知症サポーターとして活動していく前に、認知症ケアについて知識を深めておくとより安心です。「認知機能ケアプロジェクト」では、認知機能の改善効果が注目されているガンマ波の最新研究情報を配信しています。日常生活での認知症の方への対応や、具体的な支援を行っていくうえで有用な情報を得られるので、ぜひチェックしてみてください。

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