About This Project プロジェクト紹介

設立趣旨

「炎症を抑えて疲れにくい体、老けない体を叶えること」をテーマに様々な情報を発信

近年、「脳」や「老化」をテーマにした研究が注目されていますが、それらは生活習慣と密接な関係があることが最新研究で明らかになってきています。一方、「日本人の約8割が疲れている」と言われるほど、「疲労」は現代日本の深刻な社会課題です。「疲労」と「老化」は一見、それぞれ異なる現象に見えますが、実は「慢性炎症」を共通要因として密接に絡み合う関係にあります。本プロジェクトでは、疲労研究の専門家、アンチエイジング医療・研究の専門家、抗糖化研究の専門家、薬理の研究者がそれぞれの専門分野から、「炎症を抑えて疲れにくい体、老けない体を叶えること」をテーマに様々な情報を発信していきます。

*…… 一般社団法人日本リカバリー協会「リカバリー(休養・抗疲労)白書2024 レポートVol.1」より

活動内容

世の中に対して、老化関連疾患などの加齢によるリスクを低減させるために、早い時期から対策をしていくことの理解促進を図る。
対策として、疲労の慢性化を防ぎ、炎症を抑制することの重要性に関する啓発活動を推進する

「抗疲労∞抗老化」啓発プロジェクト参画有識者

渡辺 恭良 先生
代表

渡辺 恭良 先生

日本疲労学会 理事長
神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科 特命教授
理化学研究所 名誉研究員

疲労をためると老化が進む
疲れは放置せずこまめに解消

疲労の根本には細胞の錆び付きを招く活性酸素が関わっています。私たちの体は酸素を使ってエネルギーを作り出しているため、エネルギー産生の副産物として活性酸素は必ず発生するものですが、それによって酸化ストレスが起きて細胞が損傷し、炎症、疲労がもたらされます。細胞損傷を放っておけば、疲労は繰り返されて悪化・慢性化し、疲労性老化に陥ります。そんな負のスパイラルを断ち切って、細胞損傷を小さくするには抗酸化と抗炎症、修復エネルギーといった抵抗力が必要です。疲労の少ない体にすることが、アンチエイジングにもつながっていきます。

疲れにくい体をつくることで、年齢にかかわらず、いつまでもクリエイティブに活動できる、健康で老けない体を手に入れられます。疲れを感じたら、まず休むこと。疲労回復に効果がある食養生もお勧めです。

プロフィール

京都大学医学部大学院博士課程修了。(財)大阪バイオサイエンス研究所 研究部長、独立行政法人理化学研究所 神戸研究所分子イメージング科学研究センター センター長、大阪市立大学大学院医学研究科システム神経科学教授などを歴任。その他にも、文部科学省21 世紀COE疲労克服研究拠点の形成 リーダーなどを務める。著書:『寿命を延ばす疲れないカラダ』(宝島社)、『疲労と回復の科学』(日刊工業新聞社)他多数。

満尾 正 先生
アンチエイジング診療の専門家

満尾 正 先生

満尾クリニック院長
医学博士

今の生活が次の10年を作る
外見は老化速度のバロメーター

老化の進行速度には個人差があり、同じ年齢でも見た目が若々しい人もいれば、老けて見える人もいます。この差は体内で進行している老化の程度が反映されており、外見が若い人は、体内の老化速度も遅いことが多いと言えます。つまり、外見は老化速度を知るための重要なバロメーターと考えることができます。

年齢を重ねること自体は避けられませんが、生活習慣を工夫することで老化の速度を遅らせることは可能です。特に、老化を加速させる要因の一つである「炎症」は、喫煙や過剰な飲酒、暴飲暴食、そして過度なストレスなど、不健康な生活習慣によって悪化します。一方で、抗酸化作用の高い食品を取り入れたバランスの良い食事、定期的な運動、十分な休息、そしてストレス管理が、体内の酸化を抑え、炎症を軽減するのに役立ちます。このような生活習慣の改善により、老化速度を遅らせ、より長く健康で若々しい生活を維持できると考えられます。

プロフィール

北海道大学医学部卒業。内科研修を経て、杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄畏研究至研究員、救急振興財団東京研修所主任教授の後、2002年、日本初のアンチエイジングを中心としたクリニックを開設。著書『食べる投資』『名医の食卓』(いずれもアチーブメント出版)、『世界最新の医療データが示す品強の食事術』(小学館)他多数。

山岸 昌一 先生
AGEsの研究者

山岸 昌一 先生

昭和大学医学部内科学講座
糖尿病代謝内分泌内科学部門 主任教授

AGEは老化を進めるキーファクター

老化の原因の一つとして、劣化したタンパク質の蓄積が挙げられます。タンパク質の劣化の引き金になるのは、体のサビである酸化と、体のコゲである糖化。糖化は普段の食事によっても誘発され、毒性の高いAGE(終末糖化産物)が形成されていきます。AGEの蓄積は、コラーゲンなどのタンパク質を変性させて細胞や臓器の機能を低下させるだけではなく、慢性炎症を引き起こします。また、活性酸素を産生し酸化を促進させます。このように糖化は炎症や酸化と連動し、老化を強く押し進めるのです。食べ方や調理方法、食材に気を付けるだけで抗糖化対策が可能となります。ニンニクは抗糖化食品の代表選手とも言え、SACに期待しているところです。

プロフィール

金沢大学医学部卒業。金沢大学医学部講師、米国アルバートアインシュタイン医科大学留学を経て、久留米大学医学部教授を10年勤め、2019年より現職。AGEに関する医学研究により、世界最大規模の学会である米国心臓協会最優秀賞ほか、日本糖尿病学会賞、日本抗加齢医学会賞を受賞。日本内科学会、糖尿病学会、循環器学会、高血圧学会の専門医。「あさイチ」等のテレビ番組にも多数出演。『老けない人は何が違うのか』(合同フォレスト株式会社)他、著書多数。AGEに関する特許取得8件。日本抗加齢医学会理事。

伊賀瀬 道也 先生
アンチエイジングの研究者

伊賀瀬 道也 先生

愛媛大学大学院
抗加齢医学(新田ゼラチン)講座 教授

血管が若い人は見た目も若い
血管の元気は炎症を防ぐことから

「人間は血管と共に老いる」という有名な格言のとおりに、血管年齢が若いほど心臓や脳の病気が少ないことなどが証明されています。血管を元気にするために大切なのが、「酸化」と「糖化」を防ぎ、慢性炎症を起こさないこと。血管が若ければ病気を予防でき、認知症にもなりにくいことがわかっています。また、血管が若い人は見た目も若いことも実証されています。

血管を若く保つには毎日の食事と生活習慣の改善が効果的です。具体的には、十分な睡眠、ストレスを減らす、揚げ物を減らす、賞味期限が過ぎた食品を摂らない、適度に身体を動かす、抗酸化作用がある食品を積極的に取り入れるなどです。アンチエイジングは毎日の習慣の積み重ねによって効果が期待できます。

プロフィール

愛媛大学医学部卒業後、第二内科(循環器)に入局。その後、公立学校共済組合近畿中央病院循環器内科にて研修医、米国Wake Forest大学・高血圧血管病センターでのリサーチフェロー、愛媛大学大学院老年神経総合診療内科特任教授などを経て2019年4月より現職。2006年に国立大学では当時珍しかったアンチエイジングを研究する抗加齢センター(現・抗加齢・予防医療センター)を開設し、約4,000人もの外来患者に指導を続けている。血管の専門家としても有名な、抗加齢医学研究のトップランナー。NHK等テレビ出演多数。著書は「百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする(PHP新書)」他。

小菅 康弘 先生
S-アリルシステインの研究者

小菅 康弘 先生

日本大学薬学部薬学科 教授

食品由来のSACが、
細胞老化を止める救世主に

S-アリルシステインが体内でどのような作用を示すのか、またどのように効くのかを研究している中で最も着目しているのが、小胞体ストレスへの効果です。小胞体ストレスは細胞機能に悪影響を及ぼすことで、アルツハイマー病や糖尿病の発症にも関与します。また、過度なストレスは体の機能低下や疲労をもたらしますし、老化の原因にもなると考えられています。SACを摂取することで小胞体ストレスを緩和することは、細胞損傷の回復あるいは悪化の抑制に繋がり、ひいては細胞老化の救世主になるのではないかと期待しています。

SACの良いところは、食品であることです。これまでに人間が食べてきているものなので、過度な抑制や活性化がなく、有害作用はほとんどありません。安心して摂取することができます。

プロフィール

日本大学大学院薬学研究科修了。慶應義塾大学医学部研究助手、東京歯科大学助手、日本大学薬学部助手・助教・准教授を経て現職。2016年~2017年には、老化研究の世界的権威である米国Salk研究所の故David Schubert教授の研究室で訪問研究員を兼務。第18回 Journal of Pharmacological Sciences優秀論文賞受賞。SACの研究に関して、応用薬理研究会, 第15回応用薬理シンポジウム優秀賞を受賞。食品由来成分の機能性に関する研究にて、公益財団法人土屋文化振興財団令和6年度研究奨励賞などを受賞。

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