みんなのトイパ会議

みんなのトイパ ! コラム Toilet Performance Column

06

トイパレポートvol.02New!

トイレとアプリ/ウンログ株式会社

田口 敬 さん

田口 敬 さん

ウンログ株式会社 
代表取締役

トイレから健康をつくる
アプリ開発者に聞いてみました!

100万ダウンロードを超える “うんち”の記録アプリ「ウンログ」や「ウンTube」など、さまざまなアプローチで多くの人たちの腸活をサポートしているウンログ株式会社。その大人気アプリ「ウンログ」の開発者で、代表取締役の田口敬さんに、うんちと向き合うことの大切さ、今話題の腸活やトイパアップ法などを伺いました。


きっかけは突然現れた体の異変

会社を設立したのはちょうど10年前。そのきっかけは20代前半に突然現れた体の異変だったといいます。

「昔から運動が好きで、日頃からよく体を動かしていました。そんなある日、運動中に突然全身に蕁麻疹が出てハチに刺されたように真っ赤に腫れ上がってしまい……。もともと花粉症などのアレルギーはひどかったのですが、こんなことは初めてでした」

その原因を突き止めるため色々と調べてみると「腸内環境に原因があるのでは?」という仮説が浮かんだそう。

ウンログ株式会社 代表取締役 田口 敬 さん

「当時便秘と下痢を繰り返しており、腸内環境がいいとはとてもいえない状況でした。まずは腸内環境を改善することが必要だと感じ、模索した結果行き着いたのが腸活です。とはいえ、10年前はまだ腸活そのものが一般的ではなく、情報も限られていました。

まずは自分の体を使って実験するしかなく、腸にいいといわれているあらゆることを試し、その結果をうんちの変化などとともに記録していきました。すると続けているうちに、便の状態を見るだけで自分の体の些細な変化もわかるようになってきたんです」

そんなとき登場したのがiPhone。食事や体重、ランニングなどをデジタルで記録するライフログツールが次々と出はじめ、これは使えるかもとひらめいたそう。

「食事や体重のようにうんちをロギングするツールがあれば、きっと多くの人の健康に役立つはずなのに、そのツールがない。ならば自分で作ってしまえばいい!と会社を設立することにしました」

「ウンログ」で便秘に悩む腸活難民をサポート

「ウンログ」をリリース後、広告などをうつこともなく1年でなんと10万ダウンロードを達成。思った以上にニーズがあることを肌で感じたそう。

「腸活がまだまだ浸透していなかった当時でも、便秘の悩みを抱えている方の中には、手帳に毎日の排便をメモしている方やカレンダーにうんちマークをつけている方が一定数おり、リリース当初はそういった方々に『ウンログ』を活用していただくことが多かったようです」

その後も毎年10万人ずつユーザーが増加。とくにコロナ禍でよりユーザーが増え、腸に悩みを抱えている人も急増したといいます。

「ウンログユーザーにアンケートを取ったところ、約7割の人が便秘で悩んでいると回答しています。とくにコロナ禍の自粛生活で、便秘に悩む方が急激に増えました。さらに『自分に合う腸活がわからない』『今試している腸活が本当に効果があるものなのかわからない』といった声も多く寄せられます。

実際、腸内細菌は人によって異なるので、腸内細菌検査をしないと自分に合う腸活に出会うまでに時間がかかることは多いと思います。検査をせずに自分に合った方法を見つけるには、やはり色々試していただき、うんちの記録をつけて、その変化を見て自分に合っているかを判断していただくしかありません。ウンログはそんな皆さんの腸活をできるだけサポートしたいと考え、腸のタイプ診断やその方のタイプに合わせた腸活方法や腸活アイテムを多数紹介しています」

「ウンログ」アプリの画面イメージ1
「ウンログ」アプリの画面イメージ2
「ウンログ」アプリの画面イメージ3

「ウンログ」アプリの画面イメージ

89%の人が便秘を自己診断している

「便秘で悩む方が多くいるのにも関わらず、便秘の方の11%しか病院に行っていないというデータがあります。つまり89%の人が自己診断しており根本の原因に気づかないまま、間違った腸活を取り入れたり、薬を使ったりしている場合があるということです」

腸活に関わる情報を手軽に入手できるようになった一方、腸活に関わる情報が溢れているからこその問題も増えているそう。

「最近では腸活が一般的になり、その方法や商品も溢れています。中には怪しい情報や商品などもあり、間違った腸活で逆に体調を崩すこともあるかもしれません。

そこで私たちが、たくさんの腸活法の中から皆さんに正確な情報を知っていただくために発信しているのが『ウンTube』です。医師などの専門家監修の情報であることはもちろん、どうしても難しくなりがちな解説などもできるだけわかりやすくお伝えするため、マンガなどのおもしろコンテンツにして発信しています」

ウンTubeイメージ
ウンTubeイメージ

「ウンTube【食べて、やせる!よくばり腸活】」毎週水曜19時更新

実際それを手がけている社員の皆さんの中に便秘の方はいないそう。

「現在、弊社の社員の中に便秘のものはいません。でも実は入社の理由のほとんどが『便秘で困っているからなんとかしたい』なんです。入社後は、それぞれが自分の体に合った腸活を見つけ、今では便秘とは無縁の生活を送っています」

ちなみに、田口さんの腸活法は?

「バナナとキウイ、ヨーグルトに高発酵性食物繊維のグァー豆食物繊維を入れたスムージーを毎日必ず飲んでいます。あと、キムチやぬか漬けなどの発酵食品やもずくや酢の物もよく食べます。それと加工食品は避けていますね。睡眠と運動も意識しています」

とはいえ、腸活法をプラスすることばかりを意識しない方がいいそう。

「『この腸活がいい』と聞くとつい試したくなってプラスすることばかりを考えてしまいがちですが、その前にまずは食事や生活習慣の中の腸に良くないことを減らす方が悩みの改善につながることも多いです。例えば特定の食べ物を食べると下したり、便がいつもと違うなどあれば、それを止めてみるのも腸活になることがあります。私の場合は、小麦粉が合いませんでした。」

田口 敬 さん

新たな腸活グッズが続々登場!
今注目は「短鎖脂肪酸

「腸活アイテムは一般的に口からとるものが多いですが、最近は外からアプローチするものも増えています。腸を外側から温めるものや、腸もみの先生監修の腸を振動させる器具なども登場しています。

そして今とくに注目されているのが「短鎖脂肪酸」です。短鎖脂肪酸の研究自体はかなり前から行われていましたが、最近ようやくメディアなどでも『腸内の短鎖脂肪酸をどう増やすか』が注目されるようになってきました。

短鎖脂肪酸とは大腸でビフィズス菌などの腸内細菌によって作られる代謝産物で、免疫機能や生活習慣病の予防、脂肪の蓄積抑制などさまざま効果が期待される腸活のカギを握るといっても過言ではない成分です。短鎖脂肪酸の産生には、もちろん腸内細菌も重要なのですが、もうひとつ大切なのが腸内細菌にどんなエサを与えるか。腸内環境によって人それぞれ合うエサが異なるため、今後は腸内環境がよりパーソナライズ化されていくはずです。

とはいえ、現在は自分がどのタイプで、どんなエサが合っているかを知る術は検査しかありません。弊社では今後、検査結果を蓄積していき、どんな食習慣の人がどんな腸タイプで、どんなものを食べたらいいのかが手軽にわかるような分析ツールをリリースしたいと考えています」

10年後、20年後はより
質のいい腸活ができる時代に

「この10年で腸活が当たり前になり、『腸活ってなんですか?』という質問から『腸活、何をしたらいいですか?』と聞かれることが多くなりました。

さらに『食物繊維の摂取が大事』という話から、『腸内細菌のエサにはこういった種類の食物繊維が有効』という少し詳しい話をすることが多くなっています。

さらに、コンビニなどでも食物繊維の“質”まで意識するようになってきておりますし、今後消費者の腸活に対するリテラシーが上がっていけば、そのニーズに合わせた質の高い腸活商品がどんどん増えてくると思います」

田口 敬 さん

今後どのようなことにチャレンジしていこうとお考えですか?

「会社のミッションとしては、観便(便を観察すること)する人を増やし、観便で自分を知ってもらう習慣を広めたいと考えています。そのためには、アプリに限定せず、紙や写真などあらゆる記録方法に対応できるようアクセシビリティも向上させたいと思っています。

現在すでに医療や介護の現場でも使っていただいていますが、今後さらに進化させ、多くの人が自分に合った方法でできるだけ自動的に日々のうんちを記録できるようなツールを作りたいと考えています。

さらには蓄積したデータを活用して病気を予測できるようにし、多くの人が自分の健康状態をいつでも知ることができるだけでなく、健康を意識する時間がない忙しい方々もより早く体の異変に気がつくことができる世の中を目指していきたいです」

最後にスッキリして1日を過ごすための田口さん流トイパアップ法を伺ってみると……。

「トイレの環境を良くするツールを常に持ち歩いています。とくにおしりを大事にしているので、おしりに優しい赤ちゃん用のおしり拭きと清浄剤は常に携帯するようにしています。この2つがあれば、どこにいても環境を変えずストレスなくトイレに入れます!」

協力:ウンログ株式会社

さらに進化を続けるトイレ
イメージ

まずは、自分のうんちを観察してみよう

自分に合った腸活を見つけられれば、トイパアップの近道にもなるはず。まずは自分のうんちを観察することから始めてみませんか?自分のうんちの変化を見れば、食習慣や生活習慣を見直すきっかけにもなるかもしれません。その上で、自分に合った腸活法をプラスして、日々のトイパアップを目指しましょう。