みんなのトイパ会議

みんなのトイパ ! コラム Toilet Performance Column

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工藤あき先生

トイパのチェックと改善策

「トイパ」が良くなると何が変わる?

みなさんは、毎日のトイレタイムに満足していますか?トイパを改善してスッキリできれば、健康になるうえに、ストレスもなくなるはず!  そこで、トイパを悪化させる原因と良くする方法を消化器内科医の工藤あき先生に伺いました。

「トイパ」悪化の大きな原因は“我慢”

仕事や育児が忙しいからと、トイレを我慢して後回しにしていませんか?
また長時間デスクワークをしている人も要注意です。我慢をしたり、長い時間前屈みで座りっぱなしでいると、便秘が慢性化しやすくトイパが悪化する傾向にあります。

トイパを悪化させる大きな原因は、“我慢”です。『トイレに行くのを我慢する→便がたまる→便が硬くなる→便が出にくくなる→便秘になる→時間がかかるからトイレになかなか行けない』、この負のサイクルにはまってしまうと「出ないから仕方ない……」とあきらめてしまい、ますます悪化する原因になります。

トイレを我慢イメージ

「トイパ」の指標は「時間」「気分」「カタチ」「ニオイ」

まずは自分のトイパをチェックしてみましょう。「時間」「気分」「カタチ」「ニオイ」の項目ごとに1=1点、2=2点、3=3点、4=4点で計算し、点数が低いほどトイパが良いことになります。理想的なトイパと自分自身のトイパも、比較してみてください。

【トイパチェックの判定基準】

時間

あなたも、4つの指標でトイパをチェックしよう!

各指標のチェックボックスから当てはまるものを
1つずつ選択し、「結果を見る」ボタンをクリックしてください。

イラスト

アイコン 排便にかかる時間

イラスト

アイコン 排便後の気分


アイコン 排便の成果カタチ

イラスト

アイコン 排便の成果ニオイ

結果を見る もう一度診断する
スッキリ!

0

トイパは良好です。
今の腸内環境をキープしましょう。ただし各指標で3や4をつけた人は、下の「トイパを良くする方法」を取り入れてみてください。
セーフ!?

0

トイパは普通です。
ただし各指標で3や4の項目にあてはまるものがあった場合は、下の「トイパを良くする方法」を取り入れて改善をしてみてください。
ガッカリ…

0

トイパは良くないです。
下の「トイパを良くする方法」を参考に、腸内環境にいい食生活とストレスをためない生活習慣を、積極的に心がけて改善しましょう。

理想のトイパとは?

時間
2〜3分まで

5分以上は頑張らないで。長い時間イキみ続けると痔の原因になることも。クリニックでは患者さんに「5分以上は頑張らずにあきらめてください」と伝えています。

気分"
残便感がなくスッキリしている

お腹がスッキリしていると感じている人の方が、QOL(生活の質)が高い印象があります。毎日便が出ていてもあまりスッキリしていないなら、腸の調子が良いとはいえない状態です。

カタチ"
バナナのような、ひび割れていない、するんとした形状

普段あまりしっかり便を見ることがないかもしれませんが、しっかり観察することは、自分の健康状態を知るためにも大事なことです。

ニオイ"
ニオイが強くない

腸内環境が悪いと腐敗臭がします。いつもと違う強いニオイが何日も続く場合は、腸内環境が慢性的に悪くなっているサインです。

結果はどうでしたか? まずは理想の状態を知って、自分のトイパと比較する習慣を。毎日しっかり観察することで、体の変化やサインに気がつけるようになります。

トイパの悪さは健康リスクに

「そんなにトイパって大事なの?」「トイパが悪くても、そんなに日常に支障はないし……」と思っている方もいるかもしれません。しかしそれは大きな間違いです。

トイパが悪いということは、腸の環境が悪いということです。近年、腸の不調はさまざまな病気につながっていることがわかってきています。例えば、アレルギーや自己免疫疾患、認知症や心の不調なども、腸内環境と関係が深いといわれています。つまり、腸の状態を悪いままにしておくということは、全身の健康にも影響を及ぼすということです。


トイパを良くする方法とは?

では、どうしたらトイパを良くすることができるのでしょうか。トイパを良くするために心がけたいことは主に3つあります。

1.発酵食品と食物繊維、水分を摂る

1つ目は食事です。発酵食品と有用菌のエサとなる食物繊維をとること、水分をしっかりとることを意識してみてください。中でも取り入れてほしいのがヨーグルト。とくに『ビフィズス菌』入りがおすすめです。ビフィズス菌は「酢酸」という短鎖脂肪酸を作りだし、腸内を酸性にします。酸性になることで有用菌が増えやすくなり、腸内環境が整うきっかけに。ただし、有用菌のエサとなる食物繊維を一緒にとることも大切です。ポイントはできるだけ多くの種類の食物繊維をとること。種類が偏っていると、そのエサを好きな有用菌しか増やすことができません。

また、水分不足も良くありません。水分が不足すると便が硬くなる原因になります。水やお茶を1日1.5リットル程度は飲むようにしましょう。特に夏場は若い方でも脱水気味になりがちなので、いつもよりコップ1杯多めに飲んでください。

食事イメージ

2.リラックス

腸はリラックスしないと活発に動かず、便意を感じません。運動が好きな人はストレッチやヨガなどの運動を取り入れたり、あまり好きではない人は趣味の時間を持ったりお腹のマッサージをしたりしてみてください。適度な運動(軽く息が上がる程度の強度が理想)は健康やアンチエイジングに有効とされていますが、運動嫌いな人が無理に運動してもストレスを感じてしまうので、自分にあったリラックス方法を見つけてみてください。

リラックスイメージ

3.睡眠

腸は寝ている間に、活発に動いて便をお尻の方に移動させています。そのため腸にとって大切なのは、睡眠の“質”よりも“時間”をしっかり確保すること。理想は7時間です。体がしっかりリラックスでき、便もしっかり移動させることができます。

睡眠イメージ

「食事」「リラックス」「睡眠」の3つを意識することが、トイパを良くする近道。毎日は難しくても生活の中で少しずつ意識することで、きっとトイパが飛躍的に向上するはずです。みなさんも、できることからコツコツ始めてみませんか?

監修アイコン監修


工藤 あき 先生

工藤 あき 先生 工藤内科 副院長
消化器内科医・美腸・美肌評論家

日本内科学会認定医・日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医。一般内科医として地域医療に携わりながら、腸内細菌・腸内フローラに精通。腸活×菌活を活かした美肌・エイジングケア治療にも力を注いでいる。植物と美の関係をひもとく、日本でのインナーボタニカル研究の第一人者としても注目されている。その美肌から「むき卵肌ドクター」の愛称で親しまれ、メディア出演多数。