Sleep Issues
不眠大国ニッポン
日本人の睡眠課題について
先進国33か国の中で、
睡眠時間が一番短いのは日本
世界的にみて日本人の睡眠時間は短い傾向にあります。2021年に発表された経済協力開発機構(OECD)の平均睡眠時間の各国比較によると、先進国を中心にした世界33カ国のうち日本はもっとも短く、1日あたり7時間22分でした。OECD加盟国の中で睡眠時間が一番長い米国は8時間51分で、日本人よりも1時間半も長く睡眠をとっていることが明らかになりました。
平均睡眠時間の各国比較
男性よりも女性が短く、
子どもの睡眠も足りていない
右図の調査結果を男女別にみると、睡眠時間の短い日本において、女性の方が男性より睡眠時間が平均13分短いことがわか りました。世界でもっとも眠っていないのは日本の女性ということになります。
また、成人のみならず、子どもにおいても世界で一番睡眠時間が短いのが日本です。ある調査によると、どの年齢の子どもも年齢別推奨睡眠時間*よりも実際の睡眠時間が短く、最大で2時間近く足りていないことがわかりました。しかも、日本の子どもの睡眠時間が世界一短いという事実を、ほとんどの人が知らないのです。
主な国の男女別睡眠時間
年齢別睡眠時間と推奨睡眠時間との差分
睡眠課題の認知度
世界の子どもの睡眠時間と比べて、日本の子どもの睡眠時間が世界一短いことをご存じでしたか?
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「睡眠不足」と「睡眠障害」がもたらすリスクとは
睡眠は健康と深く関わっています。日常的に質の良い睡眠を十分にとれていない人は、翌日の眠気やパフォーマンスの低下だけにとどまらず、健康問題を引き起こしかねません。
睡眠不足
慢性的な睡眠不足は、意欲の低下や記憶力の減退といった精神機能を下げ、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼし、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすいことがわかっています。健康な人でも2日続けて寝不足(4時間睡眠)状態になれば、食欲を高めるホルモンが増して、食欲が増大してしまうのです。
睡眠障害
睡眠障害もまた生活習慣病の罹患リスクを高めたり、その症状を悪化させることが多くの研究によって明らかになっています。慢性的に不眠の症状があると、交感神経の緊張、血糖値を上昇させる物質の過剰分泌、睡眠時間の短縮、うつ状態による活動性の低下といった多くのリスクがあります。入眠困難や中途覚醒・早朝覚醒などの症状がある人は、質の良い睡眠がとれている人と比較して糖尿病になるリスクが1.5~2倍になることも知られています。