30代の意識と実態生活習慣の乱れとマルチ「栄養負債」
ペース・オブ・エイジングの最新研究成果は、まだ老化を身近に感じていない(かもしれない)30代から生活習慣を通じて「見た目」をケアしていくことの必要性を教えてくれます。一方で、今30代がどのような意識で過ごしているのか、その生活習慣には課題も多いようです。
ヒトの老化は30代から始まる
30代の男女に「老け」の兆しを感じることがあるか聞いたところ、男性の53.6%、女性の66.9%が「ある」(「よくある」、「たまにある」の計)と回答しました。人生100年時代と言われる中、30代で「老け」の兆しを感じることは、まだ少し早いようにも思いますが、「PoA研究01:老化タンパクドミノの第1波は34歳でやってくる!」を裏付ける結果でもあり、30代で老けの兆しを感じている人は案外多いといえそうです。
30代 「老け」の兆しの実感
あなたはご自身の健康・美容に関して「老け」の兆しを感じることがありますか。
30代が実際にどのような「老け」の兆しを感じているのか聞いたところ、男女ともに「肌の衰え」が最も多く、2人に1人以上が感じています。「老け」の兆しは肌から始まると考えてよさそうです。
30代が感じる「老け」の兆しランキング
あなたが感じることがある「老け」の兆しとはどのようなものですか。
女性の厄年と30代の不調
30代の生活習慣の乱れとマルチ「栄養負債」
30代は仕事にプライベートに忙しいこともあり、生活習慣(栄養、運動、睡眠)は他の世代と比べてかなり乱れているようです。
国民健康・栄養調査の結果を見ると、30代の4人に1人(24.6%)が朝食を欠食していて全世代で最も多くなっています。朝食の欠食だけが理由ではありませんが、栄養、ビタミン、ミネラルの摂取状況を見ると、その多くが不足していて、30代はマルチ「栄養負債」ともいえる状況にあることが分かります。
世代別に見た「朝食欠食」の割合
30代男性・女性の栄養摂取の状況(推奨量を100%とした時の充足度)
また30代で「運動習慣が無い」人は8割を超え(84.4%)、「睡眠全体の質に満足できない」人は約3割(29.2%)と全世代で最も多くなっています。30代は食事・栄養、運動、睡眠という基本的な生活習慣全てが乱れた状態にある世代といえそうです。
世代別に見た「運動習慣無し」の割合
世代別に見た
「睡眠全体の質に満足していない」の割合
30代が抱える栄養バランスのジレンマ
30代が「忙しい」ことを理由に何の対策も取っていないのかというと、そんなことはありません。食事・栄養、運動、睡眠の中でも、特に栄養バランスを整えたい思いは強く、30代男女の6割以上(男性60.4%/女性70.5%)が、何らかの「食の工夫」に取り組み、特に野菜と魚に対する意識が高いようです。また全体的に女性の方が意識が高く、女性はサプリメントも「間食やデザートを控える」「たくさんの品目を食べる」などと並ぶ「食の工夫」のひとつになっています。
栄養バランスを整えるための
「食の工夫」
毎日の食事の栄養バランスを整えるためにあなたが意識している食の工夫はなんですか。
一方で、これらの「食の工夫」で栄養バランスが「整っている」と考えている人と、「整っていない」と考えている人はほぼ半々で、食事・栄養の理想と現実の間でジレンマに陥っている30代のリアルな実態が見えてきます。
「食の工夫」に対する自己評価
あなたが意識している食の工夫によって、食事の栄養バランスは十分に整っていると思いますか。