04認知症コラム
認知症カフェとは?できることやメリット、事例についても紹介
2024.09.24
認知症カフェは、認知症の方やその家族、地域住民が気軽に集える交流の場です。この記事では、カフェの種類や探し方や利用方法、メリット・デメリット、参加時の注意点などを詳しく解説します。参加を検討している方はぜひ参考にしてください。
認知症カフェとは
認知症カフェとは、認知症の当事者やその家族、地域住民、医療専門職など、誰でも気軽に集える交流の場です。カフェのような雰囲気で、お茶を飲みながら自由に会話したり、情報交換したりできます。最近では、オンラインで開催される認知症カフェも増えており、場所を問わず多くの人が参加できるようになりました。
認知症カフェは、認知症について知りたい人、認知症になったらという不安を抱えている人、レクリエーションではなく純粋に会話を楽しみたい人など、さまざまな人が集まる場として機能しています。
認知症カフェは「オレンジカフェ」と呼ばれることも
認知症カフェは「オレンジカフェ」とも呼ばれることがあります。
認知症カフェは、元々オランダのアルツハイマーカフェが発祥で、日本では2015年に「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」の一環として導入されました。オレンジプランは、認知症の当事者が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会を目指すものです。
その名称から認知症カフェは「オレンジカフェ」とも呼ばれています。
認知症カフェの目的
認知症カフェは認知症の人とその家族が、偏見や孤立感を感じることなく社会と繋がり続けられるように、気軽に集える場を提供することを目的としています。主な役割としては下記の3点です。
認知症カフェの3つの役割
居場所の提供 不安・悩みの解消 認知症に関する啓発
認知症カフェの活動内容
認知症カフェの活動内容は、運営団体によって異なります。ここでは、認知症カフェに共通した活動を紹介します。
自由なコミュニケーション
認知症カフェでは、参加者は特にプログラムなどに縛られることなく、自由に飲食を楽しみながら会話を楽しめます。フリートークから生じた疑問や困りごとについて、介護・福祉の専門職に相談することも可能です。また、参加者同士での情報交換や、認知症に関する最新情報の共有が行われることもあるでしょう。
趣味や運動を楽しむプログラム
認知症カフェの活動内容は参加する専門家によって異なりますが、情報提供や学びのミニプログラムが含まれます。具体的には、筋肉や関節など運動器の機能低下を防ぐためのエクササイズのほか、音楽会やカラオケなど趣味を深める活動もあり、自由に参加が可能です。また近年では、デジタル技術と親しむ機会が用意されている場合もあります。
プログラムの例
脳トレーニング エクササイズ パソコン教室 音楽会・カラオケ
当事者同士や介護者同士の話し合い・相談
認知症カフェでは、当事者同士や介護者同士の話し合いや相談が行われます。介護福祉士や看護師など、認知症の介護について相談できる専門家も参加している場合が多いため、悩みの相談やアドバイスをもらうために参加できます。また、相談内容を受けて地域での認知症サポート体制が改善されることもあるため、積極的に相談してみましょう。
認知症カフェを利用するには?
認知症カフェを利用するには、開催場所へ直接行くだけで参加できる場合がほとんどです。ただし、予約が必要な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
一般的に、認知症カフェは月に1~2回、約2~3時間ほどで開催される場合が多いです。認知症カフェ専用の店舗があることは少なく、介護施設のカフェスペースや地域のセンターの一室、一般のカフェ・飲食店のスペースなどで行われます。
参加費用に関しては、飲食代を含めて数百円~千円程度のケースが多いため、気軽に参加できるでしょう。
- まとめ
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- 頻度は月1~2回、2時間程度
- 参加費用は飲食代含めて数百円から千円前後
- 事前申し込みは必要ない場合がほとんどだが、心配であれば問い合わせを
認知症カフェを探す方法は?
認知症カフェは、インターネットで検索するのが一般的です。多くのカフェが独自のホームページを持っており、地方自治体のホームページでも紹介されていることがあります。
また、住んでいる地域の地域包括支援センターに問い合わせるのも良い方法です。地域包括支援センターでは、認知症カフェの情報だけでなく、介護に関するさまざまな相談にも応じてくれます。
認知症カフェのメリット
認知症カフェには多くのメリットがあります。ここでは、メリットについて詳しく解説します。
気軽に足を運べる
認知症カフェは、気軽に足を運べるのが魅力の一つです。参加費用も手ごろで、自分の通いやすい場所で開催されているカフェを選んで参加できます。アクティビティへの参加が苦手な人でも、自由に知り合いとお茶を楽しむようにフリートークを楽しめるため、参加へのプレッシャーも少ないです。
また、定期的に開催されているため、スケジュールに合わせて参加しやすいのも魅力といえます。
仲間を見つけられる
認知症カフェのメリットの一つは、仲間を見つけられることです。高齢になると自宅から出る機会が減り、認知症によって外出が怖くなることもあります。認知症カフェは気軽に参加でき、楽しく話ができる相手を見つける機会になるでしょう。
仲間が見つかれば、カフェへの参加が積極的になり、さらに認知症カフェ以外で趣味活動を行うきっかけにもなります。
地域全体の変化につながる
認知症カフェがあることで、地域全体の変化につながる可能性があるでしょう。認知症カフェには介護関係のプロや地域包括支援センターの関係者が参加します。寄せられる相談内容の特徴や傾向を把握できるため、地域の問題解決に動いてくれる可能性があるのです。
行政に届きにくい市民の声を直接受け取る機会としても機能し、地域社会が認知症に対して理解のある体制になることにつながります。
認知症カフェのデメリット
認知症カフェにはデメリットも存在します。あらかじめ把握して、認知症カフェを選ぶ際の参考にしてください。
開催頻度が少なめ
認知症カフェのデメリットとして、開催頻度が少なめであることが挙げられるでしょう。どの運営元であっても、ほとんどがボランティアの形態で運営されているため、高頻度での開催が難しい傾向にあります。
しかし、地域で複数の認知症カフェが活動している場合も多く、たくさん参加したい場合は掛け持するのもよいでしょう。いろんなカフェに参加すると、雰囲気の合う場所を見つけられます。
運営団体によって活動内容の差がある
運営団体により、活動内容の差があることが認知症カフェのデメリットの一つです。福祉関係者やケアの専門家の数が異なるため、求めるアクティビティが開催されていない場合もあります。
明確な目的があって参加したい場合には、事前に情報収集を行い、自分や家族にマッチしそうな認知症カフェへの参加を検討しましょう。
認知症カフェ利用時の注意点
認知症カフェを利用する場合は、いくつか注意点があります。事前に把握してから参加しましょう。
無理せず自分のペースで参加する
認知症カフェは交流を楽しむ場ではありますが、無理に会話に参加したり、活動を強制されたりすることはありません。体調や気分に合わせて、自分のペースで過ごしましょう。疲れたら休憩したり、早めに帰ったりしても問題ありません。無理なく楽しめる範囲で参加することが、認知症カフェを長く続けるコツです。
個人情報の取り扱いに気をつける
認知症カフェでは、他の参加者との会話の中で、つい個人的な情報を話してしまうこともあるかもしれません。しかし、個人情報は慎重に取り扱う必要があります。話したくないことは無理に話さなくても大丈夫です。また、他の参加者の個人情報についても、口外しないように注意しましょう。
他の参加者への配慮を忘れない
認知症カフェには、さまざまな背景を持つ人たちが集まります。そのため、お互いに配慮し合うことが大切です。相手の話をよく聞き、共感する姿勢を持ちましょう。また、大きな声で話すなど、他の人の邪魔になるような行動は控えてください。みんなで気持ちよく過ごせるようにしましょう。
認知症カフェに関するよくある質問
認知症カフェになじみがない方も多いのではないでしょうか。ここでは、認知症カフェに関してよくある質問に回答します。
Q認知症カフェと高齢者サロンの違いは何ですか?
認知症カフェと高齢者サロンは、目的と対象者の点で違います。認知症カフェは、認知症のある方やその家族、地域住民が集まり、情報交換や交流を行う場です。高齢者サロンは、高齢者の孤立を防ぐために地域住民とボランティアが運営する場で、主に高齢者同士の交流を目的としています。
Q認知症カフェに種類はありますか?
認知症カフェは、運営団体によって種類が分けられます。たとえば自治体が運営する場合は、軽度認知症の方の支援や支援情報の提供が目的になる場合が多いです。一方で、社会福祉法人が開催する場合は、アクティビティが行われる傾向にあります。
認知症カフェで交流が生まれる
もし、認知症カフェに興味を持っているなら、ぜひ一度足を運んでみてください。きっと有意義な時間となるでしょう。
認知症は一度発症すると治療が難しい疾患です。認知機能を改善できる方法がないか、日々研究が行われています。現在介護している方も、認知症になるのではないかと不安に思っている方も、最新研究からヒントが得られるかもしれません。下記より最新研究をご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてください。